七話:一階層のボス
あれから俺はアロクに今の段階で俺が自力で手に入れられるスキルと今の俺が出来る戦い方を教わった。一番の成果は『魔力操作Lv1』と『魔力索敵Lv1』を獲得した事だろう。
『魔力操作Lv1』
自分の魔力や周りの魔力を操作するスキル。極めれば魔力操作だけで敵を倒せる。
『魔力索敵Lv1』
魔力を周囲に広げて、周囲にある物や生物の位置を知る事が出来るスキル。極めれば一瞬で一つの星全体を索敵できる。
今まで獲得したスキルには無かった魔力を使うスキルだ。アロクから教えてもらわなきゃ獲得する事は出来なかっただろう。
[お前が負けるって事はないだろうが、備えあれば憂いなしっていうだろ?二つとも今後確実に必要なスキルだ]
「どこでそんな言葉覚えたんだよ。それ俺の次元のことわざだぞ?」
[お前の記憶を少し覗かせてもらった。にしても驚いたぜ!まさか魔力も魔法も、スキルさえない次元があるんだな?]
他の次元だとあるのが普通なのか?俺からしたらある方が不思議だけど。アロク、そこら辺どうなんだ?
[そうだな……魔力と魔法は存在するが、スキルだけ存在しない次元なんかもあるんだがな?この三つがすべてない次元は聞いたことないぜ]
そうか……まあ分からない事を考えていても始まらない。取り敢えず今は『魔力索敵』で見つけた目の前にあるボス部屋の攻略をしないとな。
アロクによれば、ホブゴブリン戦での注意事項は攻撃力のステータスが高いって事ぐらいらしい。動きが遅いから気を付けていれば攻撃に当たる心配はないとも言っていた。
「いざ!初めてのボス戦!」
俺がボス部屋の扉を開けると、久方ぶりのアナウンスが聞こえた。
【一階層のボス部屋に入室しました!ボスモンスターが出現します!】
アナウンスが終わると、何もない空間から3mはあるゴブリンが出現した。こいつがホブゴブリンか!
「グガアアアアア!」
ホブゴブリンが雄叫びをあげながら俺に向かって真っ直ぐ棍棒を振りかぶってくる。俺はその攻撃を避けつつ、ホブゴブリンの足を斬った。そして足を斬ってホブゴブリンが蹲まっている隙に背後に回り、首を斬る。
【おめでとうございます!一階層のボスを倒しました!報酬が与えられます!】
【報酬として以下の物が与えられます!】
【Lvが10になりました!】
【アクティブスキル『鑑定Lv1』を獲得しました!】
「ボスを倒したらこんなに沢山報酬を貰えるのか!?」
[いやいや、普通の挑戦者はこんなに貰えねぇよ?才能によって報酬が変わるって言ったろ?]
そういやそうだったな。とりあえずホブゴブリンの死体を『吸収』するか。
【吸収を開始…成功しました!結果を表示します!】
【魔力+10】【攻撃力+20】【防御力+10】【技術力+5】【速力+5】【精神力+5】【パッシブスキル『怪力Lv1』】
『鑑定Lv1』
生物や物の情報を詳細に見れる事が可能なアクティブスキル。上位スキルに『解析』がある。
『怪力Lv1』
攻撃力が高い種族が生まれつき持っているパッシブスキル。上位スキルに『超怪力』がある。
どっちもかなり強力なスキルだが、『鑑定Lv1』の方が正直嬉しい。今まではモンスターの強さが分からなくて自分からは無闇に戦えなかったからな。
[お、二階層に降りる階段が出てきたみたいだぜ?]
二階層も慎重に攻略を進めないとな。そんな事を考えつつ、俺は二階層へと降りて行った。
ステータス
名前《青谷剣斗》
Lv10/100
称号『初めての地球次元挑戦者』『神剣の所有者』
HP620/620
魔力230/230
攻撃力 190
防御力 180
技術力 175
速力 175
精神力 175
魔法:『水魔法Lv1』
パッシブスキル:『不老』『体内時計』『精神耐性Lv1』『魔力操作Lv1』『怪力Lv1』
アクティブスキル:『下級モンスターの弱毒』『魔力索敵Lv1』『鑑定Lv1』
ユニークスキル:『吸収』