二話:『吸収』スキルの力
【あなたは現在《無限迷宮》一階層のセーフルームの中に居ます!】
【一階層ではゴブリンやコボルトが出現します!】
「ゴブリンやコボルトか。異世界物だと雑魚モンスターの扱いだが、油断しない方が良いだろうな」
ゴブリンは頑張れば行けそうな気がするが、コボルトはイメージでしかないが爪や牙があって鋭そうだし。
「とりあえずこのセーフルームから出てゴブリンを探して見るか」
因みに、今俺が居るセーフルームは大体2LDKくらいの大きさの岩の部屋って感じだ。出入り口が一つしかないけどな。
「セーフルームの詳細も知りたいし、ヘルプとやらを確認するとしよう」
【ヘルプを開きます!現在閲覧可能な情報はこちらです!】
《ゴブリン》
緑色の皮膚をした人間の子供程のサイズのモンスターで。知能が低いが、牙には弱い毒がある。進化すると一般個体はホブゴブリンになるが、他にもゴブリンシャーマンやゴブリンナイトなどの亜種に進化をする事がある。
《コボルト》
白色の体毛をした二足歩行の犬の様なモンスター。牙や爪が鋭く、爪には麻痺毒あるので注意。進化すると一般個体はハイコボルトになるが、他にもコボルトソルジャーやコボルトウィザードになどの亜種に進化をする事がある。
《セーフルーム》
迷宮の中に存在する、モンスターが入って来れない部屋。挑戦者にとって憩いの場となるだろう。
「見れる情報これだけかよ…他のは見れないのか?『大宇宙の意志』がどうとか言ってたじゃねーか」
【その情報は今の最高到達階層では閲覧は禁止されています!】
まだ知るには早過ぎるって事か?とにかく出入り口から外に出てまずはゴブリンを探してみるかな。
「頼むから後ろから不意打ちとか辞めてくれよ?」
そんなことを言いつつ、部屋から出てゴブリンを探していた。中々居ないな…まだ一階層だからか?次は右の道に行ってみるか。俺は右の道に進む曲がり角で止まり、聞き耳を立てる。
「…音が聞こえるな。これは寝息か?」
どっちかと言えば人間の様な寝息…ゴブリンか?寝ているなら好都合だ。起きる前に殺してしまうとしよう。曲がり角の先に進むと、ゴブリンが2匹横になって寝ていた。
俺はゴブリンの近くに行き、首を絞める。
「ガッ!?ッ!ッッ!!ッ!」
じたばたとゴブリンが暴れ回り、力尽きる。首を絞めたのだから当然の事だろう。しかし、命を奪うと言う行為は辛い。虫なら日本で暮らしていても殺す事はあるが、ゴブリンは人間に近い見た目をしているからかな。
…もう一回殺さなきゃダメなんだよな。ここで起きて来られちゃあ、俺が死ぬんだから。そう割り切っていても中々精神的に辛い物があるな…なんて事を考えながら俺は残りの一匹を殺した。
【Lvが3になりました!】
【精神的なストレスを強く感じた事で、『精神耐性Lv1』を獲得しました!】
「ふう…なんとか終わった」
『精神耐性』のスキルを獲得したお陰か、さっきより気分が楽になった気がする。
「マジでスキル様々だな…」
さて、『吸収』のスキルを試してみるとしよう。
「『吸収』!」
【吸収を開始…成功しました!結果を表示します!】
【魔力+4】【攻撃力+8】【防御力+7】【技術力+3】【速力+2】【精神力+2】【アクティブスキル『ゴブリンの弱毒』】
ゴブリンの死体が二個でこの上昇率か…ゴブリンは一階層に出現するモンスターだし、おそらくモンスターとしての格みたいなものが低いんだろうな。
だけど強い存在の死体を吸収する事ができれば、もっと強くなれるはずだ。あ、言い忘れていたがゴブリンが持っていた短剣を拝借しておいたので、これでとりあえずの武器は確保できた。
「次はコボルトと戦ってみるか?爪の麻痺毒に注意して戦わないといけないだろうな」
ステータス
名前《青谷剣斗》
Lv3/100
称号『初めての地球次元挑戦者』
HP320/320
魔力8/8
攻撃力:35
防御力:19
技術力:26
速力 :19
精神力:39
パッシブスキル:『不老』『精神耐性Lv1』
アクティブスキル:『ゴブリンの弱毒』
ユニークスキル:『吸収』