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『SHIROBAKO 劇場版』を観て

作者: 中川 篤



 とりあえず一回観、そして二回観た。この映画は前作の舞台、武蔵野アニメーションが下請けに転落するところから始まる。それもその作品で「アンナ所」と呼んでいた制作会社にしこたまやられるところからだ。このシーンはよくもまあここまで落ちれたなあ…、とつい思ってしまった。でもこんなことはこの業界ではよくあることなのかもしれない。怖い。


 仲良し5人組にも諦念の気配が漂っている。大分毒されてしまった様子。そこにふと、偶然が味方する。忘れかけていた公開予定だったSIVAという映画をやるかやらぬかという選択を持ちかけられるのだ。このとき場に光が差す。これが希望の光というように。


 とあるキャラクターの放った「まあジタバタしてみろよ」という言葉がだんだん意味を帯びてくる。諦めないこと。人はショックを受けるとそのまま腐ってしまうこともあるかもしれない。実際そういう描写もある。でもそんな状態にあってもとりあえずジタバタしてみることだ。ごろごろ転がってみることだ。中心が抗って動き続ければ、たしかに誰かが付いてくる。動きは大きくなる。何かが起こる。


 たとえそれが望むような結果にならなくとも――この映画はおそらくハッピーなエンドとは呼べない。人生は続くから――、少なくとも、最初の地点よりか前進している筈だから。


 作中で未来の子供たちに進むべき道を示すというようなセリフが出てきた。一体どんな表現や言葉を使ったら何かを「示せ」るのだろう? それは「我々はこんな逆境の中でも諦めなかった」という言葉を体現してみせることじゃないのか? 子供たちはこれから大きくなってこの作品やアニメーターのことを尊敬している自分に気づくだろう。その気持ちは裏切ってくれるなと思った。


 俺たちの戦いはこれからだ!



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