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バロックミラー

作者: 若松ユウ

平面鏡に正対して映る容姿は

生々しい程に現実ありのままで

それがあまりに醜い外見だと

素直に受け入れたくないもので


癖毛で雀斑(そばかす)の散った洋梨体型の少女は

鼻筋の通った清楚(せいそ)な令嬢のアバターを使い

(えら)が張り面皰(にきび)が潰れた胴長短足の少年は

精悍(せいかん)で爽やかな八頭身のアバターを使い


筋骨隆々でスマートなハンサムボーイが

脱毛と不眠に悩む名ばかり管理職とも知らず

沈魚落雁(らくがん)の美貌を誇るセクシーガールが

対人恐怖症を(こじ)らせた引きこもりとも知らず


真相から目を逸らす毎に鏡は(ひず)

虚像を映す鏡が変形して凹凸だらけでも

浮かび上がる蜃気楼(しんきろう)を本物だと思い込み

束の間の幻影に逃避し酔い痴れる


(ひず)みに耐えかねた鏡が割れたとき

そこには果たして何が映るのだろう


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― 新着の感想 ―
[良い点] ミステリアスな雰囲気が良かったです。 また、現実でもありそうな感じがするところも、印象に残りました。
[良い点] 題がよい [一言] >束の間の幻影に逃避し酔い痴れる 意識的に酔っているうちに いつしか鏡像に囚われる あ、それはゴシックホラー バロックではなかったか
[良い点] >歪ひずみに耐えかねた鏡が割れたとき  そこには果たして何が映るのだろう この部分が特に恐ろしいですね~m(_ _)m汗 ここでもよく、物語を作るために、リアルとは違う複数のキャラ…
2021/06/13 22:06 退会済み
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