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落炎-Rakuen-  作者: Akira Ninomae
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序章

長期連載になります。

ラストの構想まであるものの、きちんと終わらせられる自信はあまりありません。しかし、一度、目を通してもらって「こういうのもありかな?」と思ってもらえると幸いです。

 昭和という時代は文字通り激動であったと誰しもが認めるであろう。時代をさらに半世紀さかのぼってもいいはずだ。慶応の黒船来襲以来およそ、一世紀も経ずに日本は欧州などの列強国と比肩しうるだけの大国家となった。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、アジアの中心であり眠れる獅子とも言われていた清国を破り、大国ロシアを日露戦争でも世界最強と言われていた艦隊を完膚なきまでに打ちのめした。それは禁門の変からわずか四十年しか経っていない出来事である。

 そして、その破竹の勢いで連戦連勝を重ねる極東の島国を、列強各国はただ静観しているだけではなかった。各国は大日本帝国の進撃をよしとしなかった。


 皇紀2601年(西暦1941年)。昭和十六年、冬。大日本帝国はABCD包囲網を駆逐し、鬼畜米英を撃滅せんがためにハワイ沖海戦(真珠湾攻撃)、マレー攻略戦に至る。

 熟考に熟考を重ねた上の開戦であった。その開戦の号砲を新聞はセンセーショナルにぶち上げた。ここに大東亜共栄圏構想を基にしたアジアの盟主たる国家として君臨しようとする。今でいうなれば一帯一路政策を是とする中国の発想と何ら変わりはない様に思える。

 しかし、当時の日本と現在の中国ではあまりにも状況は異なる。

 当時の日本は原油をアメリカからの輸入に頼っていた。そのほかにも資源に乏しい国であったために、列強各国と同列に渡り合うためには何よりも資源が必要であった。開戦は極東アジアの平和(大東亜共栄圏構想)のためであったというが、後付けされた理由に過ぎない。

 真の理由は政府中枢の人間たちしか知りえないことだろう。今となってはそのほとんどが闇に葬られているといっても過言ではない。証言や書面などが残っていても、表舞台に上がる可能性は低いはずだ。

 開戦から半年。日本は各地で連戦連勝の快進撃を続け、連合国が後手に回っていたところも多くあった。それでも地力の差は歴然であり、徐々に日本は追い込まれていく。国民、物資、領土、経済、技術、軍事。いかように足掻いても島国たる日本には越えられぬ国力の違いである。

 日独伊三国同盟を結び枢軸国として世界大戦を行っていたが、両国ともにヨーロッパを中心に戦っていたため、日本は同盟を組んでいたとはいえ、ほとんど支援らしい支援はなく枢軸国はそれぞれ困窮を極めていく。(イタリアは早々に降伏し離脱。ナチスドイツも日本が敗戦のポツダム宣言を受諾する数か月前にヒトラーの自害により降伏、ナチス党も解体された。もっとも、日本の開戦は1941年というよりも満州事変ごろからそのきな臭さは濃くなっていた。実質的な世界大戦の引き金となるのは1939年のドイツのポーランド侵攻である)

 ミッドウェー海戦で日本は主力空母の四隻を一気に失い、日本海軍機動部隊は壊滅的な大敗を喫する。昭和十七年六月の出来事であった。この大きな転換点となった敗北を機に、日本は破滅への道のりを歩んでいくことになる。

 その後、GHQ進駐軍の占領政策により日本は連合国。いや、アメリカの望んだ体のいい共産主義国に対する前線基地となる。その数年後、旧日本国軍の解体から数年後には警察予備隊が組織され、自衛隊へと変貌していく。

 アメリカの占領政策は長く続き、沖縄の返還に至っては戦後四半世紀を要した。しかし、いまだロシアに不法占拠された北方領土が戻ることなく事態は硬直したままだ。

 これが、現在の日本である。

序章。ということですので、ざっくりとした幕末から現代までを綴りました。


本編は現代から始まります。

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