アラサー女子だけど、彼氏からラフレシアの花を貰った
彼氏に呼び出されて、ノコノコと家を出たのが午後10時。
「急だけど、渡したいものがある」
電話で彼がそんな事を言うので、私は一応、一番お気に入りの洋服に、念のため上下お揃いの下着を着て、会いに行ったのだ。
愛車の軽に乗りながら、「お前が来れば良いのに」と思ったことは、もちろん秘密である。
「世界で一番愛しい君に、世界で一番の花を、抱えきれない愛とともに」
彼は、そんなロマンチック(半笑い)な台詞とともに、私に花を、渡してくれた。
確かに、それは、世界一の、花、だった。
ラフレシア。
世界最大の花であり、大きさは直径で1mを超えるものもあるという。
さらには、死肉に似た色彩や質感に。
……汲み取り便所の臭いに喩えられる腐臭を発するという。
どうしよう、いらない。
本当に、いらない。
もしかしたら、世界一、いらないかもしれない。
私は、頭の中で、必死に計算を始める。
『名家の出身+次男+イケメン+高身長+手堅く高収入な職業-ラフレシアをプレゼントするとかいう狂った性格=?』
私は、笑顔で、花を、受け取った。
「ありがとう、とっても、うれしい!」