始まり
初めて投稿させていただきます。週末のレボォンです。初心者なので、いろいろと優しく教えていただけるとありがたいです。※少し読みやすいように改良しました。
ああ、またいつもの夢だ。
俺が一番最初に人を殺してしまったその場面。もう何度見ただろうか。もう数十回は見ているだろうか。殺すこと自体、今は俺にとって日常的な作業なのだが、この夢の時だけはいつも罪悪感を感じうなされてしまうのである。
なぜだろう、最初に殺した人間だからだろうか。それとも自分が信頼してきた恩師だったからなのだろうか。どちらも正解だろう。しかし信頼していた恩師だって結局、今まで殺してきた他の人たちと同じように、『サツイ』の力を制御できなかったただの人間に過ぎなかったことだ。つまり殺意に飲み込まれたのだ。だから俺が気にすることはないのだろうが。というのも恩師を殺してしまったことに対する言い逃れなのかもしれない。
たとえ俺に向けた殺意が恩師のものじゃなかったっとしても。そうして俺はいつものように電灯が照らす薄暗い裏路地から立ち去ったところで朝を迎えるのであった。
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「なあ、またこの辺で殺人事件だってよ。同じ地域で連続って怖くないか。」
「そうだよねー、最近世の中物騒だもんね。全国的に殺人事件増えているからねー。」
「でもよぉ、この辺だけ、この一カ月間多すぎないか、やっぱり週刊誌が言ってる殺人鬼が存在するんじゃねーか。」
「かもしれねーな。そうだとしたらなんであんな多く殺しているんだろうね、直接理由を聞いてみたいな。」
「そんなことしたら殺されるっての、お前死にたいのかよ。」
「うそうそ、興味本位だよ、そんなことはしないよ。」
「どうだろ、お前ならやりかねないかもしれねーな。」
と最近のニュースで話題になっている事件の話をしながら、部活動の朝練に向かうクラスメイトを見つけて僕、紫藤誠は声かけた。
「おはよー、お前ら朝から元気だな、またあのニュースの話してんのか、そんな話ばっかしていると次狙われるのお前らかもしれんぞ。」
と僕は彼らを茶化した。すると彼らは、
「朝からそんなこと言うなよ、怖いじゃねーかよ。」
「お前が言うと冗談に聞こえなくなるからやめろ。」
「そういってるお前はどうなんだよ、怖くないのかよ。」
と彼らは口々に文句を言い始めた。それに対して僕は言った。
「そうだなぁ、怖くないって言ったらうそになるけど、そこまで気にしてないというかそんな感じかな。」
それに対して彼らは、
「そういえば、お前あんまり、社会のことなんて気にしてないもんな。」
「聞き返した俺らが間違いだったわ。」
「てか、そろそろ時間やばくなるよ、急ぐよ二人とも。」
「おわっ、やべーな。」
「よし走るぞ、じゃーな、まこっち、また後でな。」
そう言い残し彼らは学校まで走り出しって行った。
「ふう、相変わらず、騒がしい奴らだな。」
そういって僕はスマホを取り出す。
「あー、やっぱり、メッセージ来てる、またあいつからだな。問題が大きくなる前に返信を返しておこう。」
とぶつぶつ言いながら学校へ向かうのであった。
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僕たちが住んでいる街は西日本でも有数の多くの文化財や世界遺産が存在する都市の近くにある都会と田舎の間のような場所である。多くの人が訪れるようなショッピングセンターはないが、スーパーが多く存在している感じだ。
現在、日本は大きく2つの州に分けられている。北海道東北東京付近エリアを東日本州、近畿四国中国九州を西日本州としている。こうなった理由は、政府が1つの場所に力が集中するのを避けるためなどいろんな事情があってこうなったらしいが、実質、数年前の都道府県制とさほど変わっていない。そんな日本の中の高等学校でそこそこ頑張っているのが、この僕である。
見た目は、黒髪短髪、ちょっとしっかりしてそうな体型であるが、帰宅部で、目つきが悪いので、よく怖いといわれ、話してみるまでは避けられる(結構傷つく)。勉強と運動はそこそこできる(努力してます。)。といった感じの高校2年である。
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教室に着き、すぐに椅子に座ると、スマホのSNSアプリを起動した。一通りメッセージの返信を終えたときに、教室の後ろの引き戸が大きな音を立てて開き、教室に人が慌てて入ってきたことが分かった。
僕は現在、窓側の前の席にいる。音に驚きつつも、スマホをズボンのポケット入れながら後ろの引き戸の方を見た。するとそこには学校内で上位カースト男子たち(ちなみに僕はクラスで浮いてます。)が決めたランキングでいつも1位に君臨している園田花蓮がいた。彼女は小学校の時からの幼馴染で、中高とバスケットボールに力を注いでいる。髪型は、茶髪のショートボブで明るい雰囲気でクラスの女子のムードメーカーであった。
彼女が大きな交通事故で入院する前までは。今は退院しているが、前よりも寡黙になってしまい、あまりクラスのみんなともかかわりを持たなくなった。しかし人間ていうのは慣れというものがあり、クラスは彼女抜きであることが普通になってきたのである。
だが、それにしてはこの時間、部活動で朝練が盛んに行われているときに、彼女が教室に来るということは今まで一度もなかった。僕は、この時間に登校して、ぼーっとしているからよくわかるし、彼女は、病院から退院した後も今まで休んだことはなかったからだ。
「どうしたんだ、園田。お前が朝練の時間に教室に来るなんて珍しいな。」
僕は驚いて声をかけた。
彼女は玉のような汗をかきながら、息を切らしつつ俯きながらこう言った。
「ちょっとね、いろいろあって・・・」
「しんどいんだったら、無理せず休めよ、いつもお前は無理をしすぎだ。退院してから一回も休んでないじゃん。」
「えへへ、そうだよね、幼馴染に心配させちゃってたか、大丈夫だよ、私は。でもちょっと、屋上行ってくる。」
と彼女は、僕に笑顔を向けて、廊下に飛び出していった。
「どこが大丈夫なんだよ。いつもより下手な笑顔しやがって。絶対彼氏のせいだろ。」
と一人でつぶやきつつ、彼女の彼氏、桐ヶ谷頼斗のうわさを連想した。
彼女は、同学年の彼氏がいる。そやつ、頼斗はバスケをやっており、結構なイケメンだ、しかし悪いうわさが絶えない。普通に二股とか掛けたりする男だ。また何かしでかしたのに違いない。彼女は、執拗に迫られ断り切れなかったみたいで僕は人づてから聞いて形式的なものだったと思っていたのだが・・・
「後で調べるか。」
と思いながら、新しく来たメッセージの返信をするのであった。
投稿は不定期だと思うので、気長に読んでいただけるとうれしいです。