■ 王族の遊び
※ 連載小説となっていますが「嘘と真実」は一話ごとに完結しています。
本編では物語が進行し、後書きで真実が暴かれます。
どうぞ最後までご一読いただき、お楽しみください。
「マダム、おひとりですか?」
ワイングラスを片手に
こちらをみる美しい女性。
貴婦人は左手の薬指にはまる
指輪をみせて、
「わたくし、婚約していますの」
「そうでしたか、
実は私も既婚の身でして」
貴族の男性も同じように
光る指輪をアピール。
「ですが、
少しハメをはずしてお話しませんか?」
「あら、よろしいの?
奥様がお怒りになりますよ?」
「妻はTVゲームに忙しいので、
私の相手などしてくれません」
「それは奇遇ね。
フィアンセもフィギュア作りに没頭してわたくしは二の次。
でも、こちらにはほかにいくらでも
素敵な女性が集まっていますわ。
社交パーティーですもの。
みなさん華やかでいらっしゃるから」
「そうですね、
魅力的な貴婦人ばかりで
目移りしてしまいますよ。
ですが、その中でも
あなたが一番輝いていらっしゃいますよ」
「ご冗談がうまいのね、
それでは、
夜風のすずしいところへ参りましょう」
「さあ、お手を」
騒がしい社交ホールから
二人はお城の外へ出てゆく。
月夜の美しい日に
大人のロマンが花開いた。
「たまにはこういう
カップルイベントもおもしろいな」
「貴族衣装似合ってたよ」
「ドレスかわいかったよ」
「それ”ドレスが ”
かわいいって意味でしょ」
「ちがうっつの」