表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イカシコロス  作者: 小雨
第二章 コロスモノとの戦い
37/38

VS 切り裂き魔3

「平次!」

自分の名を呼ぶ声が聞こえたかと思うと、轟音とともに突然視界が遮られた。

慌てて僕は一歩飛びのく。大地から何かが生えていた。咄嗟に僕はそれを掴んで引き抜き、振り払うように薙いだ。

接近していたコロスモノが爆撃を避けるように距離を取った。


巨大な槌だった。柄の先端部には巨大な鉄塊が装着されてい。、片側は凹凸が施されており、片側は円錐状になっていた。

「おら、平次!さっさとぶっ殺せ!」

叩き潰す。或いは、引き裂く。

両方できそうだなと思っている僕に、再び檄がとんだ。

花先輩の声だ、と理解すると、今度は月の声が頭の中に響く。

"鑢子博士は人間的にアレなところはあるけど、能力は信用できるよ。こと、コロスモノを殺すことに関しては"

鑢子博士の名前がでたところで、ようやく僕は武器の開発をお願いしていたことを思い出した。


ナイフを携えたコロスモノが、襲い掛かってくる。

僕は手に入れた槌を構えると、再び大きく振り払…おうとした。


重い。


最初に触れた時には感じなかった重量を手に感じ、それを思ったように動かすことはできなかった。

意識した途端、それを持ち続けることができなくなる。

コロスモノは、僕がたまらず地面に落とした鉄塊の上に飛び乗ると、僕に向かってナイフを振るう。

握ったままの鉄塊を離すことができず、なすすべなく切り刻まれる。

「…!」

再び肉を裂かれる感覚が僕を襲う。何度裂かれても慣れることはできない。

流れ出た血液が、新しい武器を汚した。

「平次!鑢子の武器は力だけじゃ持ち上げられねえぞ!」

花先輩の声が再びきこえた。

「そいつも体の一部だと思え!奈月の力もそいつに流し込むんだ!」

いわれるがままに、僕は奈月の力を動かす。

さんざん練習した、自分の体に力を纏う感覚。握りしめた鉄塊にもその力を伝播させた。

力を入れる 動く 

さっきとは打って変わったように、握りしめた戦闘槌は軽くなっていた。

僕は今度こそ、槌を振り払った。

鎚に乗って僕にナイフを振りおろしていたコロスモノは、バランスを崩し宙を舞う。

僕はとっさに鉄の塊を手に、コロスモノを追いかけるように大地を蹴った。

斬られすぎている。力も尽きかけている。

叩き潰す。ここしかない。つぶす。潰す。ツブス。

地面に叩き付けられたコロスモノに向けて、僕は鉄の塊を振り下ろした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ