表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TREASON PRINCESS  作者: KUROKO A
77/92

第六章 決意の時  王女の目覚め


その特異な攻撃に、予想外にアルチナは翻弄された。


戦士として、真っ向から剣のぶつかり合う正統な戦いを得意としてきた。


それだけに、付かず離れず短剣を突き立てながら、まるで野犬の群れの如く体力を奪い去る戦法に苦戦したのだ。


「くっ……小賢しい」


神経をすり減らすような、執拗な攻撃が徐々に体力を奪い去る。


「王女、いつまでそんな所で蹲っているつもりだ」


いまだに、閉ざした心の殻を抜け出せない。


耳を塞ぎ、部屋の隅で小さく震える事しかできない。


そんなエディーネを守りながらの戦いが、状況をさらに追い詰める事となる。


見事と言わざるをえない。


それほどに、短剣を片手に三人の連係した特異な動きに手を焼いた。


しかし。


「見くびるな!」


怒りに満ちた咆哮が木霊す。


「……」


逃げ遅れた刺客の一人を巨剣が捕らえた。


くの字に体が曲がった瞬間、糸の切れた操り人形のように崩れ落ちる。


「エディーネ!」


突然名前を呼ばれ、エディーネの体が竦む。


「お前はこんな所で終わるのか!」


先ほどとは一転して、まるで訴えかけるように柔らかな口調だった。


「お前が諦めたら、王国はどうなる……国王はどうなる!」


その言葉に心が大きく揺れた。


「私は……」


握り締めた拳が僅かに震える。


「私は……」


強く結ばれた唇。


決意は固まった。


「私は生きて……生きてもう一度セフィーリアに戻る」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ