表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TREASON PRINCESS  作者: KUROKO A
22/92

第二章 二つの真実  ローレンス神殿


馬車から姿を現したエディーネを一目見るなり、市民の中から感嘆のため息が漏れる。


女王としての威厳に満ちたエディーネは、ゆっくりと微笑みながら神殿に入った。


祭壇に立ったコーエン大司教が、戴冠式を執り行うことを宣言して式は静粛な空気の中で始まった。


祭壇上に設置された戴冠式用の椅子にエディーネが着き、コーエン大司教が神々の祝福を願った祈祷を執り行う。


つつがなく進み行く式も、ついに待ち望んだ瞬間が訪れようとしている。


いよいよ、大司教の手に王位を示す王冠が渡されたのだ。


息を呑む聴衆。


耳が痛くなるほどの静寂の中、ゆっくりとエディーネの前に立つ大司教。


静かに、王冠がエディーネの頭上に納まろうとした時だった。


「皆さま、ご静粛に願います!」


突如として、大聖堂に響く男の声。


男は、文官服を纏っている。


エディーネには見覚えがあった。


「モーガン副司令官?」


男は、王国騎士たちの頂点に立つ近衛騎士団の副司令官を勤めるモーガン・コールデン子爵だった。


その並外れた武勇により若干四十歳でこの職についた稀代の英雄だった。


「何事だ! 場をわきまえろ」


神聖な場には、不釣合いなその声の主に対して一喝したのは元老院議員のルーモア伯爵だった。


怒りもあらわに男に駆け寄るが、伯爵の顔色が変わった。


男はあろう事か、伯爵に剣を向けているのだ。


「お静かに願います」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ