ポカポカする好き
掲載日:2026/04/17
学校の体育館の真ん中で、キスしている男女を見た。
もちろん、二人は不純異性交遊で停学になった。
そうなることは、きっとわかっていたはずだ。
それでも、湧き上がる気持ちを抑えられなかったのだろう。
⸻
対して、私たちにはそんな情熱的なものはない。
「ねえ、アル」
「ん?」
「私たち、グループの余り物で、なんとなく付き合い始めたじゃない?」
「男女三対三のグループで、俺たちだけ相手がいなかったからな」
「……私のこと、好き?」
少しだけ間があって、アルは答えた。
「わりと好きだよ。一緒にいると、ポカポカする」
エリカは目を瞬かせた。
本当は――
“空気みたいに当たり前の存在”だと伝えようと思っていたのに。
「ポカポカ……」
「ポカポカしない?」
不思議と、顔が熱くなる。
「……今、急にポカポカしてきた」
アルは少しだけ嬉しそうに笑った。
「そっか。嬉しい」
⸻
エリカは思う。
瞬間の熱さは違うだけで――
体育館でキスをしていたあの二人と、
同じくらい、私たちは好き合っているのかもしれない。
なんとなく、そう思えた。
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乙女ゲームのバッドエンド絵師、ゲーム世界に転生する 〜バッドエンドしかない世界で、運命を捨てる〜




