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神様がバックれた?!〜「自分で行けよ」と言ったら本当に行きやがったので、俺が世界を管理することになってしまった〜  作者: 仁原詩柄玖
第一章

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説明書なら捨てたよ





執務室に戻ってきた。



「今度逃げたら許しませんよ。」


「くっ…殺せ!」


「…はぁ」


逃げてないし。戦術的撤退だし。


「主な業務は書類処理です。基本的に危険な実務はありません。判断と承認が主ですので。」


なるほど。つまり——


「責任だけ重くて、全部あなたの仕事です。」


「最悪じゃん。」


「書類処理ですが、書類自体が効力を持っているので、権限を用いて修正すれば実際に反映されます。反映が確認された書類は消えます。」


えー、じゃあ爆発!!って書いたら爆発すんの?


「……何か変な事を考えてませんか?

流石に考えていないとは思いますが、星の爆発等を起こせば後始末で書類が膨大な量になりますよ?」


「は、はぁ?!違ぇし?!」


「……」


ねぇ俺の心読んでんの?毎度毎度鋭過ぎない?


「おっけおっけ。ま、とりあえずドーンて感じでやってくねー。」


「………………はい。」


あっは、めっちゃ間があんだけど。

話聞いてなかったんか?って感じの顔してんなコイツ…………()()()


「そういえばまだ名前も聞けて無いんだけど。」


そう言うと天使は不思議そうな顔をして、


「………?業務に必要ありませんが?」


……ハ、ハハ面白い冗談だ。…冗談だよな?


「い、いやいや冗談キツイって……。

そうじゃないでしょ、名前って。

業務に必要とかじゃなくてさ。呼ぶ時、不便でしょ?

それに、同僚の名前くらい知りたいけど。」


嘘でしょ……?

ここ牢獄だったりする…?

番号で呼べば良いのか……?


……逃げれないし牢獄ではあるかも。


どんなブラック企業だって流石に、互いに名乗りくらいはするだろうに…………する、よね…?


「あ、俺は直人ね、相良直人。」


「……ウリエルです。」


(……名前、ですか…。

 私が、個として扱われるとは……)


そんな感じで、俺は天使──ウリエルと自己紹介を済ませたのだった。





「具体的な対処方法ですが……いえ、一度やってみる方が速いでしょう。

今回は私は後ろで見ていますので。」


なんか雑くね?


「説明面倒くさくなった?」


「違います。……権限の概要すら読んでいなかったので、冗長な説明は逆効果かと。」


俺は説明も聞けない馬鹿だと思われてるのか……。

確かに読んでねぇけど説明書(説明も聞けないバカ)


ていうか、なんで知ってんの?

ねぇなんで知ってんの?!ストーカー?!


……違うか。監禁犯だな。どっちかと言うと。


まぁ仕方ない。

とりあえず少しやってみるか。


俺達は書類のある机の方に歩んで行った。


うっわ……今更だけど何この椅子…。


我こそが神に座られるに相応しい椅子だ!って言わんばかりの華美さなんだけど……玉座かよ。


あの神こんなん座ってたん?笑

ハッ(鼻で笑う音)


まぁいいや、よいしょっと。


…………………………………………………………………

…………………………………………………………………

………………………はっっっ!!


気持ち良すぎて我を忘れる所だった。

……なるほどね。分かった。分かってしまった。


激務過ぎてこんなのでも座ってないとやってられないんだ…。2億だもんね。そうだよね…。


マジで気持ちいいな…派手だけど。

はぁ良い…派手だけど。


あーこのままちょっと一眠りし…


「っっ!」


寒気が、した。

身の危険を、感じた。


だ、ダメだ。

今は書類に向き合おう。


ってか、そもそもどうやって取るんだ?コレ…。


頂点なんて見えないし…

下から取ったら崩れるよな…?


あぁ管理者権限か。

便利やな…生前も欲しかったわ。


さっきとほぼ同じ感覚で良いかな?


瞬間移動(テレポート)


但し、対象は書類…っと。


その言葉を合図に、目の前に50cm分くらいの厚さの書類の束が現れる。


先程の瞬間移動(テレポート)の応用だ。


「んー、いいね。」


上手くいった。

まぁさっきのを少し弄っただけだしね。

ただ、思い通りにいくって言うのは気分が良いね!

……目の前に大量の書類が無ければ。


あまりにも多い書類の量に直人は、げんなりする。

あの東京スカイツリーですら麓から見ても頂点が見えるってのに、なんで紙重ねただけの物体の先端が見えないねん。



(……器用、ですね。書類の瞬間移動ですか。

インドラ様はいつも頂上まで飛んで行っていましたのに。)



やはりこの仕事に適正があるかもしれない、とウリエルが考えている一方、直人は


束の1番上の書類を取って、


「…………読めねぇじゃん。」


いや何語だよこれ。

絶対、神語とかだろ。だってもう字が偉そうだもん。まるで我こそが神に(以下略)


書類には、明らかに読ませる気の無さそうな、言語かも怪しい難解な文字列が記載されていた。


朕らは言語からして下界の愚民どもとは格が違うのじゃってか?……無いか。インドラ馬鹿っぽさそうだしな。


まぁいいや。読めなくても読むまでだ。


傍から見れば脳筋もいい所だが、これには理由がある。


そう、直人は読解力のスーパープロフェッショナルなのだ。自称だが。


読解力こそ、謙虚な直人が胸を張って誇れる数少ない生前の長所だ。

勿論、謙虚というのも自称である。


共通テストの英語でさえ単語も殆ど分からない中それ(読解力)だけで乗り切ったんだ。神の言語くらい読めなくてどうする。


……やってやるよ。


直人がそう気を引き締めた瞬間、

明らかに纏う雰囲気が変わった。その周りの空気が一段重く沈むように錯覚させる。


投げやりな態度から一変し、

その目から深い集中が見て取れる。




…………全然分からん。


神の言語は共通テストより難しいようだ。

当たり前である。


直人が書類と格闘し始めはや数分が経ち、遂にウリエルが声をあげる。


「もしかして、読めないんですか?」


「……ヨメテルヨ」


「権限の概要と一緒に創世語のパッケージも付いていたのでは?」


「……。」


創世語?

あぁ、この文字ね。


………説明書なら捨てたよ。


「それすら確認しなかったんですか……。」


だ、だって……


「あの説明書の名前言っていい?」


「?」


 ウリエルは突然なんの話だ、と首を傾げる。


「 『インドラせんせいの

 よくわかる!権限と世界のひみつ♡』 だよ? 」


「……。」


 流石にイラッとしたのだろうか、ウリエルの眉が露骨に寄った。


「基本お淑やかな俺だけど、アレは流石にぶち殺すぞクソが。おほほほ。と言わざるを得ないよ。」


「権限で創世語を解析してみては?」


うーむ。そうなんだけど、


「やり方がよく分かんないんだよねー。」


説明書読んでないから。


瞬間移動(テレポート)も正直ノリでやったら出来たって感じだしなぁ。


ん?ってなるとさ、そもそも


「ねぇ、()()()()さぁ今、日本語喋ってる?」


「っ……創世語ですが。おそらく最初の会話の際、インドラ様が意思疎通の為に創世語会話の能力だけインストールしたのでしょう。」


ふーん。中々やるじゃんインドラの癖に、


その時だった。直人の脳内にやたらと派手な

ジャンジャラジャーン!!

という音が響く。


……?

なんだ?管理者権限?


そう考え、直人が管理者権限を起動すると


『出産されたなう!!

産声あげる時に自分で後光差したら神の寵児だ!!とか言って崇められちゃったwww』


は?????


アイツ、人に仕事押し付けて異世界満喫してやがる……。次に会ったら絶てぇぶん殴る。


直人は拳を握りしめ固く決意した。


そもそもお前が行くなら転生じゃなくて良いだろ…

なに一丁前にセルフ後光出産とかいう高度なことやってんだよ、聞いた事ねぇよ。


ていうか出会った時のあれセルフ後光かよ。


『何満喫してんねん。ぶっ飛ばすぞ。』


返信の仕方は考えずとも自ずとわかった。

そういうものらしい。


『おぎゃーーー!!赤ちゃんだから分かんなーい!!』


コイツマジで……。

これが神とか末期だろ本当に。


『シバく。』


ダメだ。負けらんねぇ。

コイツに負けるとかプライドが許さなさすぎる。


いやもう、まず俺があんな奴()らのやり方に合わせてたのが間違いだったわ。


それはそうとして、使えるものは使わして貰おう。


管理者権限、起動。


んーー、やっぱり難解だな。


まぁいい、適当だ適当。

結果さえついてこればいいんだよ!!!


─────出来た。いくぜ、



 直人は書類に手を翳し言葉を紡ぐ。





「再構築」






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