【転】好きにしたら良いよ
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
創作物の二人。
お兄さんブチ切れ回。正論とレスバの嵐です。
「プロットは出来た?」
分かっていた事だった。実際私から指導を求めて、途中経過を今まで報告していたからこそ、今回も聞かれると思っていた。けれども絶対に今のプロットは見せたくない。絶対に喧嘩になる。
「あの……えと……」
此処で『出来てない』と嘘つくと後で物凄く怒るだろうな……。それこそ、この間、私が食レポを返した時のように……。いや、もしかしたらあの比じゃないかも知れない。
「どうしたの? 質問は何時でも受け付けるよ?」
これ程までに兄さんの好意が心苦しいと感じたことは無い。だからあまり夢を見させない様に、私は持っていた携帯端末を兄さんに渡す事にした。
兄さんは早速私の簡単なプロットを見る。僅かに眉が動き、目付きが険しくなる。次に来る言葉を予測した。
――こんなんで本当に長編書く気なのか?
「こんなんで本当に長編書く気なの? だったら嘗めてるよ。幾ら君の過去だって、いいや、過去だからこそ、それで失敗しているじゃないか」
あぁもっと痛烈な言葉が飛んできた。けれどもご最も。兄さん以外の人が見ても、キット同じ事を言われるだろう。
「プロット作成、苦手で……」
「知ってる。でも苦手な事から逃げ続けたら、君は一生成長期しないよ」
「だから出来ないなりに考えて……」
「何処をどう考えたの? これは短編じゃない。私からしたら、何も考えてないように見える。君、もう少しやる気あると思ってたんだけど。そんな軽い気持ちでやろうとしてたの?」
圧倒的な正論が胸を抉る。思っていた以上にしっかりと兄さんの気に触ってしまった様だった。これから私がどれだけ訳を話しても、火は鎮火すること無く、寧ろ燃え広がるだろう。
だから私は必死になって歯を食いしばり、兄さんの言葉を均す様に叫んだ。
「兄さんには沢山、沢山、助けて貰ったと思ってる!! 凄く有難いとも!! 本当は嫌な私の指導まで請け負ってくれて!! それで我儘だけど、これからも頼る気だから!!でも、でも!! これはもう少し自分で考えさせて!! そうして深まったらお小言にして!!」
幼子の駄々っ子の様にその場で叫んだ。というより捲し立てた。其れを受けた兄さんの眉間の皺は叫び毎に深まる一方で、今の私の叫びに納得してない事は明らかだった。
「……分かった。じゃあなるべく言わないように気を付ける。でも……それで失敗しても、私は責任取らないよ。此処からは私の管轄外だから。
あぁ後……相談ね。図々しくも私を頼る気なんだろう。もう好きにしたら良いよ……。
……お茶にしよう……」
段々と兄さんの躍起が段々と低下していくのに、冷や汗を掻きながら、私は黙って顎を引いた。
兄さんの感情が恐らく、ぐっちゃぐちゃ。
自分を頼る程の意思があると思っていたのに、いざ蓋を開けてみたら超絶簡単なプロットを投げられたらそりゃあそうよ。
※プロットちゃんと書いてないと、どん詰まりになるのはあるあるのあるある。
だから最期ら辺、感情の起伏のただ下がりから、この状態。失望と絶望から投げやり。そして気力を回復させる為にお茶の準備です。
脆くて繊細。それが兄さん。