表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/55

48 サンドロ・ボーフォート②

 「ここ数年我々軍の一部がハインド伯爵達から武器を秘密裏に入手していたのは我が国でのクーデターが目的でしたから。彼ら自体元々密輸で儲けていたので目立ちたく無かったんでしょう。こちらも都合が良かったんですよ」


「待ってくれ、クーデターが目的ならあのハニートラップにもならない王女は何なんだ?! アガスティヤ女公爵にダメージを与える為に送り込んだんじゃなかったのか?」



 は? という顔になるサンドロ。



「ああ、アレは歳が離れて生まれたので王族全員で甘やかし過ぎたせいで、家庭教師の言うことを全く聞かずに育った失敗作品ですね。()()()()()()()王侯貴族なら当然婚姻は避けますよね?」


「は?」


「王家側は今回アバルティーダに適当な婿探しを兼ねて送り込んだつもりでしょうが、我々軍としては公の場で『国際的な馬鹿』を晒してくれたらアバルティーダ王国側がヴァルティーノ王家に賠償金を請求してくれるといいな~、位のノリでした。謝罪します」


「・・・は?」


「王家が溜め込んでる財産を吐き出してくれれば御の字だったんですけどねえ」


「・・・・は?」


「あと、国にいられると迷惑なんですよあの王女」



 気が重そうにため息をつくサンドロ。



「・・・・・え?」


「執務室に居座られて、邪魔なんですクーデターの計画とかも、無自覚で全部鼻を突っ込んで来るんで」


「・・・・・・・はぁ?」


「惚れっぽいんで、イケメン物色しに入り浸るんですよ軍務局に。ほんと邪魔で・・・子供は苦手ですよ」



 額に手を当て項垂れるサンドロ。



「ボケた叔父は国王と前国王にアガスティヤが弱っている今ならアバルティーダ王国と戦っても勝てるとか言い出すし、王女は執務室に居座るし、王族の浪費は止まらないし、国境を動かせ、アンドリュー王子と馬鹿王女を婚約させろ・・・」



 天井を仰いで



「牢屋の中がこんなに平和だとは知りませんでしたよ。何も考えなくていいですからね」



 と呟いた。





 サンドロ・ボーフォート、苦労人である・・・




×××


 


 「因みに、手紙を側近のサンドロに送ってたのは何故かしら?」



 香り高い紅茶の入った白磁のカップをソーサーにもどして、頬に手を置く王太子妃イザベラ。



「あ~、文通したかったらしいよ」


「?」


「サンドロは結構イケメンだ」


「そうなの?」


「ああ。苦労してるから若干目つきが悪いがな」


「近眼なんじゃないの?」


「あ~。確かにそうかも。でね、フロイライン王女が国元にいるときは付き纏ってたらしいよ」


「・・・軍人よね」


「うん」


「成る程。ガチムチ?」


「ううん。細マッチョ」



 2人して天井を見上げてアンドリュー王子を思い浮かべる。



「「なるほど」」



 なんか、夫婦で納得したようだった。



「手紙の内容は大したことないものばっかりだったわよ。リアの悪口とアンドリューの事、後はその日に何があったか位よ。そうね、会談中は進展具合とかも書いてた気がするわ」


「それで国境線の問題もその手紙で知ったらしいね。何しろサンドロ自身は正直な所、宰相ってわけじゃなくて軍の参謀だからね。本人も言ってたけど2国間協議の内容なんかほぼ知らされてなかったらしいね」


「微妙ね」


「まあね。確かにあの王女の事といい、違和感があったけどリアと私が考えていた程我が国を狙っていた訳では無かったね。まあこれに関しては裏付けは取るよ。念には念を入れないとね。ただ意外だったのはヴァルティーノの王族だ。出来の良くないご王女の尻拭いを我が国にさせようとした疑いが出てきたからねぇ」



 王太子オースティンは薫り高い紅茶を口に含んだ。



「調査結果次第だけど、我々がヴァルティーノをどう処理するかだよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ