第八十五集 夢の続き②
最終話です。
よろしくお願いします。
「ニャニャニャニャニャー!!」
「タマ!?」
食べ物を探しに森に入っていたタマが、突然叫びながら森から出てきた。
「ニャんか、ニャんか変な奴が襲ってきたニャー!
エノ! レサ! 逃げるニャ!」
タマが出てきた所を見ると、そこには馬鹿でかいヘビの様なカエルの様な化け物がいて、猛然とこちらへ迫ってきていた。
「うわぁぁぁぁぁ!
何あれ!?」
「多分あれが"ダクティラオオヘビガエル"ニャ!
宿屋のおっさんが昨日言ってた奴ニャー!!」
レサ入りのカバンを背負い慌てて逃げ出す。
「レサー! 起きてー!
ピンチー! 重いー!」
背中のレサに声を掛けるが、一向に起きる気配は無かった。
必死に走って逃げていると、次第にタマが僕に追いついてきた。
だがタマと一緒に、化け物の方も距離を詰めてきていた。
「タマ! アイツ速いよ!」
「ニャろー!
こうなったらやってやるニャ!
猫爪破ー!」
タマが急ブレーキをかけ、ヘビガエルに向かって猫爪破を放つと、派手な音を立てて砂埃が舞った。
「どうニャ!」
タマが勝ち誇った顔で叫ぶ。
だが砂埃の中から現れたヘビガエルは、腕から血こそ流していたものの、顔や胴体は全くの無傷だった。
「ニャンだと!」
「ガードが硬い!」
その時だった。
僕の背中からレサが飛び出し、ヘビガエルに向かっていった。
「レサ!?」
ヘビガエルは攻撃してきたタマに気を取られ、小さなレサには気がついていない様だった。
レサはヘビガエルに組み付くと、スルスルと頭の方へ登っていった。
レサに気がついたタマは、更にヘビガエルの気を引こうと手招きして挑発した。
「来いニャ! 来い! こんニャろ!」
ヘビガエルがタマを威嚇するように大口を開ける。
するとレサがヘビガエルの頭の上で立ち上がった。
「大猩音!
ウホウホウホー!!」
「だ、大猩音ー!?」
レサの大猩音に、ヘビガエルが頭を抱えた。
そのためヘビガエルの胴体はがら空きになった。
その声量は僕も思わず耳を塞ぐ程だった。
「ニャイス! レサ!
もらったニャー!
愛・アム・レディ!」
タマがそう叫んで、肉球をヘビガエルの土手っ腹に打ち込む。
「ジュラジュラジューン!」
掌底をもろに受けたヘビガエルは、そのまま山の彼方へとふっ飛んでいき、空の星となってキランと光った。
「愛・アム・レディー!?」
タマの掌底の威力に、僕の目は飛び出さんばかりの勢いだった。
「タマ!」
「レサ!」
ダクティラヘビガエルを見事な連携で退けたタマとレサ。
親指を立てて、お互いに視線を交わした。
「二人共、凄い……。
前とは迫力威力、共に段違いだね」
僕がそう褒めると、タマとレサは揃って胸を張った。
「どんなもんニャ!
前は"肉球掌底"と呼んでニャけど、もはや愛・アム・レディと呼んでも良い威力だったニャろう!」
「ふふ……、私の大猩音も、もはやゴウリ様のモノマネの域を超えてしまったようだぜ……」
そう言って二人はハイタッチをする。
するとそんな二人の頭に、何処から飛んできたのか、拳大の木の実が急に落ちてきた。
「ひニャぶ!」
「痛っ!」
頭を抱えてうずくまるタマとレサ。
僕は辺りを見回したが、特に変わった様子は無かった。
ちなみにその木の実は、とにかく甘いという事でお馴染みの木の実だった。
「な、何ニャ〜、この木の実は?」
「いってぇ〜」
ブツブツと文句を言いながら起き上がる二人。
その頭には、見事なたんこぶが一つ出来上がっていた。
「大丈夫? 二人とも?
ん?」
ふと足下を見ると、そこに一枚の紙切れが落ちていた。
拾って見てみると、それは第二回フェリダエ武獣研鑽会の案内だった。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと!
こ、これ見てよ!」
「なにを慌ててるニャ、エノ?
慌てるナントカはナントカが少ないニャよ〜」
「そーだぞ、エノ。
急いてはナントカをナントカじるぞ」
「中途半端な知識はいいから!
レサはわざとでしょ!
ほら! これ!」
二人の目の前に案内の紙を突き付ける。
すると二人は目を丸くして驚いた。
「ニャんと!」
「ニャンと!」
改めて案内の紙をまじまじと見つめる二人。
しばらくすると、タマが飛び上がって喜びを爆発させた。
「やったニャー!
またみんなと本気で闘えるニャー!!」
「フェリダエに帰るぞー!」
タマとレサが手を取り合ってステップを踏む。
そんな楽しそうな所に水を差す様だったが、ふと沸き起こった疑問を二人にもぶつけてみた。
「でもさ……、この案内の紙、誰が届けてくれたんだろう?
まさか偶然の訳ないし……」
タマとレサは一瞬ピタリと動きを止めたが、すぐにまた踊り出し、そしてそのまま森へ向かって駆け出した。
「細かい事は気にするニャ!
早くフェリダエに帰るニャー!」
「ニャー!」
「だから全然細かくないって!
待ってー!!」
慌てて二人を追いかける僕。
その時、慌てる余りに研鑽会の案内を落としてしまった。
そしてその案内は、急に強く吹いてきた風にさらわれて、後ろへと飛んでいってしまった。
「え?」
案内が飛んでいく時にチラリと見えた案内の裏側。
研鑽会開催の衝撃で、つい確認するのを忘れてた裏側。
その裏側に赤いキスマークと、黒い字で"ゴリ!"と書かれているのが見えた様な気がした。
まさかと思って立ち止まっていると、タマとレサが戻ってきて僕の手を引いた。
「エノー! 早くいくニャー!」
「エノー」
戻って確かめたい気持ちもあった。
でも、前に前にとタマとレサに引っ張られていると、その答えは後ろじゃなく前にあるような気がして、自然と足が前へと進んだ。
「うん! 行こう!」
「ZZZ……」
「ってレサ! 何で寝てるニャー!!」
「えーっ!!」
完
読んでいただきありがとうございました。
拙い文章で失礼しました。
行き当たりばったりで書いた所もあるので、辻褄が合ってない事もあったかもしれません。
それでも何とか完結する事が出来て良かったです。
読んでくださった皆さんのお陰です。
本当にありがとうございました!




