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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第二章 VS超獣拳〜
88/89

第八十四集 夢の続き➀

開いていただきありがとうございます。


前回の後書きで、"次は爆破直後のお話"と書きましたが、もう少し先のお話になってしまいました。


すみません。


よろしくお願いします。


「ジーショウ! 腕を上げたな!」


「生死の境を彷徨った事で一皮剥けたでごザル!」


 豹猟拳の外の修練場で、リバとジーショウが手合わせをしていた。

 相変わらず交流は続いている様だった。

 更に修練場には何名かのゴリラの武獣家の姿もあった。


「ふん!」


「ぐおっ!」


 そのゴリラと対峙していたターチが、攻撃を受け、吹き飛ばされた。

 それをリバが唖然とした顔で見ていた。


「すげー……。

 ターチがあんな簡単にぶっ飛ばされるのかよ……」


「隙あり!」


「おっと!」


 よそ見をしていたリバにジーショウが鋭い蹴りを放ったが、リバを華麗な身のこなしでそれを躱した。


「うほっ!」


 今度はゴリラがリバの動きに目を奪われていた。

 蹴りを躱されたジーショウが、リバに向かって抱拳礼をした。


「さすがリバ様でごザル。

 あの蹴りが躱されるとは……」


「いやー、ギリギリだったぞ!

 ジーショウも、タマ! タマ! 言ってるだけじゃねーみてーだな!」


「当然でごザル!

 もう二度とタマちゃんに、恥ずかしい姿は見せられんでごザル!」

 

 ジーショウが腕を組んで、半身に構えるいつものポーズを決める。

 リバはそれに構わず遠くの空を見つめた。


「タマのやつ、どうしてっかなー?」



 ■



「当主! 本日の組手希望者が揃いました!」


「ごわっ!」


 若い虎がやって来てそう告げると、当主と呼ばれた一際大きい虎が玉座から立ち上がった。

 その虎が道場の中央へと進むと、そこには多種多様な武獣家が鼻息を荒くして待っていた。


「どっからでも掛かって来るでごわす!」


 一際大きい虎が声を張り上げると、集団の中から一人の武獣家が飛び出した。

 しかし次の瞬間、そのジャガーか豹かの武獣家は吹っ飛び、壁際のトラ達に抱えられていた。


「次でごわす!」


 あとはその繰り返しだった。

 あっという間に、一際大きい虎と対峙する者は一人もいなくなった。

 伸された武獣家達は道場の隅に寝かされていた。

 周りで見ていたトラ達が、「お疲れさまです!」と一際大きい虎に頭を下げていた。

 そこに華やかな見た目をした、ヒト型の武獣がやって来た。


「ワンフー、お疲れ様ですね」


「おお! 姉上!

 獅子爪牙拳から戻られたでごわすか?」


「ええ、第二回フェリダエ武獣研鑽会の開催が決まりましたよ」


「おお! でごわす!」


 フーがニコリと笑って言うと、ワンフーは目を輝かせた。

 そこへコック帽にエプロン姿のティグが駆け寄ってきた。

 両手にはお玉とフライ返しが握られていた。


「ワンフー! いや、当主! 飯だぞ!

 あれ、フー様!? おかえりなさい!」


「ただいま帰りました。

 ティグ……、また料理ですか……」


「いや~、あれ以来すっかりハマってしまいました。

 私の料理を食べた時の、タマちゃんの笑顔が忘れられません!」


 ティグがお玉とフライ返しを持ったまま構えた。

 フーとワンフーは呆れ顔でそれを見つめた。


「タマと言えば、タマも必ず研鑽会には参加するはずでごわすな。

 きっと修行の旅で腕を上げてるでごわす」


「でも、今は何処にいるのでしょうか?

 研鑽会のことを知らせてあげたいのですが……」


「なーに、タマ達の事でごわす。

 きっと何処かで噂を聞きつけて、ちゃんとやってくるでごわす!」


「そうですね」


 フーがそう言って、いつもの様に穏やかに微笑んだ。



 ■



「ウー大師、ありがとうございます!」


 羊の姿をした親子がそう言って、ウー大師に何度もペコペコと頭を下げた。

 ウー大師はそれに優しい笑顔で応えた。

 

「お大事にしてくださいね」


 クリクリ頭の武獣家がその親子を出口まで案内していく。

 その姿を見て、長身の全身真っ白な武獣家が、隣に座った大師に声をかけた。


「大師、お疲れ様です。

 今日の患者さんは今の方々が最後の様です」


「そうですか。

 しかしシュエさん、貴女いつまでも我々と一緒に旅をしていてもいいのですか?」


 大師に問われたシュエがニコッと笑う。


「勿論です!

 私は大師の"持たざる者の為"という理念に激しく共感したのです!

 それに私が軟獣力を身につけることは、雪尾拳にとっても有益なことです。

 雪尾拳はハクに任せておけば心配いりませんから」


「まぁこの大陸には軟獣力の使い手が少な過ぎますから、貴女が良ければ私は一向に構いませんが」


 大師はそう言って立ち上がると、机の上から分厚い書物を手に取った。

 

「それではお勉強の時間といきましょう」


 それを聞いてシュエの顔に冷汗が流れる。


「た、大師、いま診察が終わったばかりですし、少し休憩されてからでも……」


 狼狽えるシュエを見て、大師は満面の笑みをみせた。


「ご心配ありがとうございます。

 でも私は大丈夫ですから

 では、指南書の十一頁を開いてください。

 パド君! 早く来なさい!」


「ひゃあ! いま参りますー!」


「うう……、エノさんの話ではウー大師はとても優しい指導者だと……」


 シュエが指南書をめくりながら呟く。


「エノ君は嘘を言ってはいません。

 無償で己の秘技を他人に伝授するなど、聖人君子と言って良いでしょう」


 診察室に戻ってきたパドが、大師の言葉を聞いて何かを閃いたという様な顔になった。


「そーいえば! エノさん達は今頃どうされているのでしょう? ねぇ、大師? アム様やゴウリ様の行方の手掛かりは掴めたのでしょうか?」


「ふむ……。

 彼らは今頃……って、パド君、その手には乗りません。

 早く座りなさい」


「はい……」



 

読んでいただきありがとうございます。


エピローグって言うのでしょうか?

そんな感じのお話でした。


次回で終わりとなります。


よろしくお願いします。

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