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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第二章 VS超獣拳〜
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第八十三集 飛べゴウリ! 繋いだその手は武獣の未来!


「ミ、ミケ兄さんニャー!?」


 タマが驚きの声を上げる。

 タマに続いて見てみると、そこにいたのはタマの兄のミケ、そして猫爪拳の道場主クーニャンだった。


「俺たちもいるぜ!!」


 ミケ達の後ろからも声が聞こえたので見てみると、そこにいたのは多種多様な武獣家たちだった。


「ゲパ! ルート! それにターチじゃねーか!」


「おお! スンピョウ兄! ヌンピョウ兄!」


「チンショウさん、パンショウさん……」


 研鑽会で見かけた武獣家たちが沢山集まっていた。

 それを見たゴウリが、興奮気味にリオンに向かって叫んだ。


「リオン! よくやったゴリ!

 超獣玉をぶん投げてヘロヘロになったゴリが、皆の力をもらえれば儂も飛べるゴリ!」


「もしもの時の為に、名のある武獣に招集をかけていた。

 それが功を奏したみたい」


 ゴウリとリオンが互いに頷き合う。

 それからゴウリが、集まってきた武獣家たちに声を掛けた。


「皆、力を貸して欲しいゴリ!

 とにかく知り合い同士で手を繋いでもらいたいゴリ!」


 ゴウリが言うと、その意図を察知したリオンが後を引き継いだ。


「皆、フェリダエの危機よ。

 力を貸してほしい。

 説明している時間はない!

 とにかく手を繋いで!」


「わかったよ。

 みんな、言う通りにしようじゃないか」


 リオンとゴウリの必死の呼び掛けに武獣家達が動く。

 あっという間に武獣の列が完成した。

 その先頭のクーニャンとゴウリが手を繋いだ。


「クーニャン、さらばゴリ」


「ゴウリ、アンタ死ぬ気かい?」


 クーニャンに問われたゴウリは何も言わなかった。

 一列に並んだ武獣家達にリオンが声を掛ける。


「端から順に隣の者に獣力を渡してもらいたい。

 受け取った者もまたその隣へと送り、最後のゴウリまで届けてほしい」


「力が抜けますが一時的なものです。

 安心してください!」


 ライの言葉を受け、先頭のパンショウが獣力を送り始めた。

 順調に送られていったが、ある場所でその流れが止まった。


「兄さん!」


「スンピョウ兄!」


 止まったのはスンピョウのところだった。

 隣のミケへと獣力が上手く流れていかない様だった。


「絆結拳は信頼関係が大事。

 そうか、ここは全く知らない者同士か……」


「うむ、今日初めて会った様なものです」


 ミケとスンピョウが気まずそうにお互いを見る。

 そんな二人を見ていると一つの考えが浮かんだ。


「タマ! コレをリュンピョウさんと分けて!」


 カバンから"獣総栄食"を出してタマに投げる。

 タマにもその意図が伝わったようで、タマはそれを半分食べると、すぐにリュンピョウの下へと駆けつけた。


「リュンピョウ、何も言わずコレを食うニャ!」


「ふがっ!」


 タマがリュンピョウの口へ、半分に折った獣総栄食を突っ込む。

 リュンピョウは驚きながらもそれを飲み込んだ。


「これは……力が戻ってきた……」


「ワタシとリュンピョウがあの間に入るニャ!」


 タマがミケとスンピョウの二人を指差し駆け出す。

 リュンピョウも合点がいったようで、すぐに走り出した。


「急ぐゴリーー!!」


 タマとリュンピョウが列に加わる。

 ミケは照れ隠しなのか、そっぽを向いた。


「ふん。まさかこの歳になって、お前と手を繋ぐ事になるとはな」


「ワタシだって好きでやってる訳じゃニャいにゃ!」


 すると獣力が再び流れ初め、遂にゴウリまで到達した。


「来たゴリー!

 アムー! 今いくゴリ!!」


「ゴウリ!」


 今にも飛び出さんゴウリにリオンが声を掛ける。

 ゴウリはそれを見てニヤリと笑った。


「リオン! 後は頼んだゴリよ!

 ウホウホー!!」


 ゴウリが絶叫しながら地面を蹴り、空の彼方のアムの下へと飛び出していった。 


「師匠ーー!!」



 ■



「いや〜、まいったわね……」


 アムの顔に冷汗が流れる。

 急に超獣玉から角が生え出し、それがアムへと狙いを定めて、今にも発射されそうだった。


「先にこっちからぶっ放せればいいんだけど……。

 獣力が大き過ぎて時間がかかるのよね。

 どうしましょ?」


 悩むアムだったが、今出来るのは皆から集めた獣力を、一気に放つために練り上げる事だけだった。


「もうちょっと、もうちょっとなのよね……。

 !?」


 必死で獣力を練り上げるアムへ、超獣玉が語りかけてきた。


「アムよ、あと一歩だったな。

 やはりこの大陸の武獣達は、何処かで道を間違えたのだ。

 この空で、更に力を蓄えたこの玉は、地上に落ちて爆発すればこの大陸の大半を吹き飛ばす。

 それがこの世界を作った神の意志だ!」


「間違えたですってー!

 当たり前でしょ!

 アタシ達は完璧じゃないのよ!

 間違いから学ぶ。

 その繰り返し!

 でもいつかは……、全ての者が自分を、そして他者を、心の底から認められる。

 そんな世界が来ると信じて、間違いながら進むだけよ!」


「ふん! 綺麗事だ!

 結局は妬み嫉み、それがお前たちの本質だ!

 お前たち、そして我らも神の失敗作!

 消えてなくなるのが神の意志のようだ!」


 遂にアムに向かって、超獣玉から角が発射された。

 

〈どうしましょ……。

 コレを防げばせっかく集めた獣力が台無し。

 といっても、まだ練り上がってない獣力を放っても、あの玉を爆発させる事は出来ない……。

 ()()()きゅうす!〉

 

「ど畜生めー!!」


 アムの絶叫が広い空に木霊する。


「アム! 諦めるのは早いゴリ!」


「ゴウリちゃん!?」


「何っ!!」


 そこへ地上からゴウリが飛んできて、アムと超獣玉の間に割って入った。

 発射された角が、ゴウリの体に突き刺さる。

 だが角はゴウリの体を貫通せず、アムの下へは到達しなかった。


「ゴリっ!」


「ゴウリちゃん!」


 ゴウリが吐血する。

 慌てるアムを、鬼の形相のゴウリが一喝した。


「儂のことはいいゴリ!

 さっさとやるゴリ! アム!」


 ゴウリの言葉にハッとするアム。


「ありがとね、ゴウリちゃん……。

 お陰で私達の夢は続きそうよ」


「儂らは見られそうに無いゴリが……」


 ゴウリの言葉に、アムがニコッと笑って応えた。


「あら、ゴウリちゃん?

 ワタシと一緒に心中する気?

 ゴウリちゃんとは腐れ縁過ぎて浪漫が無いわ〜」


「この期に及んで何をふざけているゴリー!

 やれ! やれゴリー!!」


「オッケー!

 長かった闘いよ! おさらば!

 超獣絆結拳ー!!」


 アムの体全体から青白い気が放たれる。

 その気が超獣玉へとぶつかると、超獣玉は大きく膨れ上がった。

 そして限界を迎えた超獣玉は、四方八方へと光と爆風を放ちながら破裂した。


〈アムよ……、お前、昔から"まんじきゅうす"って言うけど……。

正しくは"ばんじきゅうす"ゴリ……〉


〈教えてくれてありがと、ゴウリちゃん……。

 生きて帰ったら、今度はきっと正しい言い方で……〉


 爆発に飲み込まれるアムとゴウリ。

 猛然と襲い掛かる爆風と光の前に、その巨大な姿も一瞬にして消えてしまった。


読んでいただきありがとうございます。


二名の偉大な武獣家の活躍により、世界は救われた様です。


次回は、爆破直後の地上の様子です。


よろしくお願いします。


"長かった闘いよ、さらば"は、キン肉ス◯ルのセリフをお借りしました。

"まんじきゅうす"は、すごいよマ◯ルさん からです。



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