第七十九集 そんな馬鹿ニャ! アム、衝撃の告白!
「ア、アムさまー!?」
「アッムでーす!」
突然現れた虎皇拳の主、アムの登場に困惑する僕ら。
南側の守備のため、虎皇拳に残っているはずじゃ……。
そんなアムが、ダブルピースをして僕らの目の前に立っていた。
「ニャ! オネーサン!?」
「あ、タマが起きた」
アムの声に大きさに驚いたのか、それともその存在への反射なのか、目を回していたタマがガバッと起き上がった。
「ニャ、ニャんでオネーサンがいるニャ?」
タマがみんなから一呼吸遅れて驚いていると、更に空から何か黒い塊が落ちてきた。
「ゴリ!!」
「ゴ、ゴ、ゴウリ師匠ニャー!!」
アムに続いてゴウリの登場に、その場にいた一同は開いた口が塞がらなかった。
「アム様に、ゴウリ様……。
間近で見るとなんという迫力……」
リュンピョウがそう言って茫然としていた。
雪尾拳の二人もそんな感じで棒立ちだった。
「ライ、よくやってくれた」
「リオン様!」
アムとゴウリに続いて、フェリダエ国主リオンもやって来た。
ライが即座に抱拳礼をして迎えた。
そういえば、今いるのは獅子爪牙拳の修練場だった。
それにしては、超獣拳との闘いが始まってから一向にリオンの姿が見えなかった。
「ほほぅ、親玉たちが雁首揃えて現れおったわ」
ファンが三巨頭の登場を鼻で笑って迎えた。
その様子は驚いた所がまるで無く、こうなる事が分かっていたかの様だった。
「おひさ、ファン。
お元気だったかしら?」
「えっ!!」
アムの言葉に絶句する僕ら。
"おひさ"という言い方もだったが、それ以上にファンと知り合いかの様な言葉に驚いた。
「ふん。
お主の愛弟子に随分と酷い目に合わされたわ」
「あら? それはたくさん褒めてあげなくっちゃ」
アムがそう言って悪戯そうに笑うと、ファンは鼻息をフンと鳴らしそっぽを向いた。
「ゴリ! ファンよ、超獣玉とは穏やかじゃ無いゴリよ!
こうなったら儂らも黙ってるわけにはいかないゴリ!」
「ゴウリか……。
相変わらずゴリゴリうるさいの」
「ゴリ!」
睨み合うゴウリとファン。
超重量級の二人の睨み合いは、見てるだけで気絶しそうな程の迫力だった。
「ファン、もう決着は着いたじゃない。
半端な者が超獣拳を破るなんて有り得ない。
彼らは心技体を兼ね備えた真の武獣家。
認めてあげてほしい」
ファンとゴウリに割って入ったリオンが、ファンを見据えて言った。
「リオンか……。
確かにお主の言う通りじゃ。
しかし、超獣玉が発動すれば後戻りは出来ぬ。
超獣玉を発動させた奴らの想いも、儂は汲んでやらねばならぬ」
「ファン……。
しかし、貴方が居なくなれば超獣拳はどうなる?」
リオンに問われたファンが後ろを振り返る。
そこには、岩陰にもたれ掛かり目を閉じているジャパとミコアがいた。
「奴らがいれば問題無い。
あの二人なら新たなる超獣拳を生み出すであろう」
「貴方にそこまで言わせるとは。
随分と優秀みたいね」
「ふん、からかうでない」
そう言ってファンは、力を溜めるようにグッと膝を曲げ沈み込む。
そして宙へと飛び上がり、光る玉へと一直線に向かっていった。
「アム! ゴウリ! リオン!
そしてフェリダエの若き武獣家共よ!
これが我ら超獣拳からの最後の試練だ!
見事突破してみせよ!」
ファンの体が光輝く。
それは徐々に光る玉となり、前の三人が作った玉と合体した。
ファンが合体した事により、光る玉は獅子爪牙の道場をも遥かに超える大きさとなった。
その玉は修練場の空を、不気味に光りながらふわりと宙に浮かんでいた。
アムはその玉を見上げると指を鳴らした。
「よーし! やるわよー!」
「やるわよー! じゃありません!」
いつも冷静なフーがアムに向けて怒鳴った。
それにはさすがのアムも驚いたようで、目を丸くしていた。
「フー様の言う通りニャ!
オネーサン! どうなってるニャ!」
「そうでごわす! 何でファン殿とあんな親しげに話してたのでごわすか!」
ワンフーの問いかけを受け、アムはようやく合点がいったというような顔になった。
「ニャーんだ、そのこと」
「何でタマみたくなってんだよ」
リバが呆れ顔で突っ込む。
アムはそれに構わず続けた。
「だってアタシ、元超獣拳ですもの。
アタシだけじゃなくて、ゴウリちゃんもリオンもよ」
「ええー!!」
余りの衝撃に、漫画だったら目が飛び出していたと思う。
読んでいただきありがとうございます。
アムたちは超獣拳出身でした。
勘づいていた方もいらっしゃったでしょうか。
次回はその辺のお話になるかと。
よろしくお願いします。
評価なども是非。




