第七十三集 遂に出番ニャ! 対するは超獣拳最強!?
少々短めですが、よろしくお願いします。
「ワンフー! よくやったニャー!」
「ごわっす!」
タマがワンフーの背中に飛び乗る。
それを皮切りに、ワンフーがみんなに揉みくちゃにされた。
手荒い祝福が一段落すると、ワンフーはフーに向かって抱拳礼をした。
「姉上」
静かに一言だけ呟くワンフー。
フーは穏やかに微笑み抱拳礼を返した。
「素晴らしい闘いでしたよ、ワンフー。
まさか、あんな技を隠し持っていたとは驚きました」
「アム様に、超獣拳との闘いに備えて伝授されたでごわす。
正直使うか迷ったでごわすが……」
複雑な表情を浮かべるワンフーの肩に、フーがそっと手を添えた。
「どんな姿でも、貴方は誇るべき私の弟です。
胸を張りなさい、ワンフー」
「姉上ー!!」
堰を切ったように、目から涙が溢れ出すワンフー。
まるで子供の様に泣きじゃくるワンフーを、皆が微笑ましく見守っていた。
「仲の良い姉弟でごザルな」
「ホントにニャ。
どっかの嫌味な兄とは大違いニャ」
タマがそう言って顔を顰めた。
そんな中、ふと隣を見るとリュンピョウがサメザメと涙を流していた。
「うわ! リュンピョウ!
なんでお前が泣いてるんだよ!」
僕と同じ様に、リュンピョウの異変に気付いたリバが驚きの声を上げた。
「いや……、本当に素敵な姉弟だなと……」
涙を拭うリュンピョウ。
彼の意外な一面に、みんなが驚いて目を丸くする。
「なんだよー! お前もっと堅い奴かと思ってたけど、意外と情に厚いんだな!」
リバがリュンピョウに肩を組みながら言うと、リュンピョウは恥ずかしそうに笑った。
殺伐とした戦場に響いた優しい響きに、みんなが心を和ませた。
「あ、あれは!?」
だがそんな穏やかな一時も、戦場に現れたジャパの姿によって一瞬で緊張に変わった。
「遂に出てきたニャ……」
タマがジャパを見て呟く。
すると、フーがタマに向かって掌の肉球を差し出した。
「タマさん、出番です」
フーが言うとみんなも円形に並んで、タマの方へと自身の肉球を差し出した。
僕やレサ、ウー大師には肉球は無いけど、とりあえず掌を差し出した。
「ニャ」
タマがみんなの掌に自分の肉球を合わせていく。
一通り終わると、タマが戦場へと顔を向けた。
「ニャッてやるぜ!!」
タマは気合を入れるように掌と拳をバシっと合わせる。
そしてそのまま戦場へと進んでいった。
戦場では、ファンを後ろに下げたジャパが相変わらずマントを目深に被り、タマを待ち受けていた。
「お前が俺の相手か?」
低いがよく通る声でジャパが訊ねると、タマが親指を立て自身を指差し答えた。
「猫爪拳出身にして、アムとゴウリの弟子、タマだニャ!」
タマの名乗りを受けたジャパが眉間に皺を寄せた。
「なんだかハッキリしない奴だ。
まぁいい、俺の名はジャパ!
超獣拳六覇衆、最強の男だ!!」
ジャパが纏っていたマントを脱ぎ捨てる。
中から現れたのは、目の周りの黒い模様が目を引くヒト型の武獣家だった。
髪の毛の間から見える黒い耳も特徴的だった。
長袖の武術着を着て、背丈はタマよりは大きかったが、他の超獣拳の者ほどの迫力はなかった。
「あれがジャパ……」
「超獣拳、最強……!?」
ジャパを見たタマは、目を爛々と輝かせた。
「ニャあ、アンタを倒してワタシが最強になるニャ!」
「ふん! 戯言を!
はっ!」
そう言うとジャパは前のめりになり、水平に手を広げ、まるで地面の上を滑るようにタマへと向かっていった。
読んでいただきありがとうございます。
ジャパはジャイアントパンダです。
でも見た目は、目の周りと耳以外は人間です。
服はタオ◯イパイとか、シェンムーの藍帝が着ているのを想像していただければ。
次回、ジャパの拳がタマに炸裂!?
よろしくお願いします。
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