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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第二章 VS超獣拳〜
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第五十九集 かいくぐれ! 変幻自在の首の鞭!


 急いで修練場へと戻ると、ハクとシュエ、ライ、そして梅花拳のパドの四名が並んで立っていた。

 未だ闘いは再開していない様だった。


「ライ殿、闘いはどうなりましたか?」

 

 フーが尋ねると、ライは無言で超獣拳の方を指差した。

 そちらを見ると、何だか揉めている様子だった。


「先程からずっとあのように言い争っているのです」


 ライが言うと他の三人も頷いた。


「よく分からニャいけど、間に合ったようニャ」


 タマが安心した表情を浮かべると、ライがそれを見てタマに声をかけた。


「ティグさんは大丈夫だったのですか?」


「持ち直したでごわす!

 もう安心でごわす!」


 ワンフーの報告を聞いて、みんなの顔が綻んだ。


「良かったです。

 むっ!」


 ハクが超獣拳の方へ鋭い目を向ける。

 すると超獣拳は揉め事が解決したのか、いつの間にかこちらを向いて並んで立っていた。

 ファンが一歩前に出た。


「持たせたの。

 では、二回戦じゃな。

 ジラ!」


「はっ!」


 ファンの呼び出しに応じ、キリンの武獣家ジラが前へと進み出た。

 それを見て、こちらから飛び出していったのはハクだった。


「雪尾拳ハク! 参る!」


「やはり貴様が来たか。

 だが、白いのがもう一匹いたはずだ。

 面倒だ。

 まとめて相手をしてやる」


 腕を組み、自信に溢れた表情で言うジラ。


「ジラよ、あまり調子に乗るでない」


 ファンの窘めにも、ジラはどこ吹く風だった。


「ファン様、この者等の性根を測るならこれくらいが丁度良いでしょう。

 あまり力の差があっても参考になりますまい」


「ふん、好きにするがよい。

 しかし、敗北は許されぬぞ」


「分かっております」


 険しい顔のファンを尻目に、涼しい顔をするジラ。

 そんな二人のやり取りを見て、シュエがハクの隣へと飛び出していった。


「シュエ……」


「ハク、これは誇りを賭けた闘いじゃない。

 生命を賭けた闘い。

 生き残るために二人で闘うわ」


 シュエの言葉に、ハクは少し間をおいてから頷いた。


「別れの挨拶は終えたか?

 では、行くぞ!

 首角鞭撃!」


 ジラの長い首がスルスルと伸びて更に長くなり、一本の大木の幹のようになった。

 それが鞭みたいに撓って、ハクとシュエに襲い掛かった。


「ハク!」


「くっ!」


 何とかジラの首角鞭撃を躱す二人だが、ジラの首は反転してすぐにまた二人を襲う。


「あの技です!

 あれで我が梅花拳の師兄達もやられたのです!」


 苦い思い出が蘇ったのか、パドの顔には恐怖の色が広がっていた。


「でもよく、あのジラから上手く逃げられましたね。

 どうやって逃げたんですか?」


「はい。ハク殿が氷の塊をぶつけている間に、シュエ殿がジラの足元を……あっ!」


 パドの説明を聞いていると、それと同じ事が目の前の戦場で起きようとしていた。


「旋風尾氷弾!」


 首の攻撃を躱したハクが飛び上がり、尻尾を回して氷を飛ばす。

 その氷はジラの拳で叩き割られたが、その隙をシュエが突く。


「風雪尾旋!」


 シュエの尻尾から猛吹雪が舞い、ジラへと襲い掛かる。


「同じ手を食うか!」


 ジラは首を長く伸ばしたまま、体だけ側転を繰り出し吹雪を避けた。


「なっ!? 体にも目が付いているの!?」


 シュエが目を見開き、驚愕の表情を浮かべる。

 

「アイツ……、気持ち悪い……」


 見るとレサが顔色を悪くしていた。

 確かに伸びた首がウネウネと動き、体は体で側転をしている姿はかなり奇妙だった。


「首角鞭撃!」


 その後もジラの首による攻撃が続いた。


「シュエ! 首だ!

 やはり首の動きを何とかしないと!」


「よし! 私が囮になる!

 ハクはその隙に首を狙って!」


 シュエはそう言うと、首による攻撃をかいくぐりジラの体へと迫った。


「氷拳!」


「無駄だ!」


 氷を纏わせた拳で殴りかかるシュエ。

 だが目こそ体から離れているが、やはりジラは見えている様でシュエの攻撃は全て躱された。


「どうなってるニャ!

 ホントに目が三つも四つもあるのかニャ!?」


 タマが困惑した表情で言うと、ライが顎に手を当て、考え考え答えた。


「多分……ですが、あのジラという者は視野が異常に広いのかと。

 首を自在に動かしながらも、常に体を視野に入れているのではないでしょうか?」


 ライの意見にフーも頷く。


「ライ殿の言う通りだと思います。

 首と体を別々に動かせるのは、相当な鍛錬を積んだのでしょう」


「ニャるほど……」


 タマの「ニャるほど」は少し怪しい。

 闘いの場では、変わらずシュエが攻撃を仕掛けていた。

 シュエの猛攻にジラの首は動きを止めていた。


「ハク!」


 そこに、いつの間にか跳び上がっていたハクが、上空から襲いかかった。


「氷手刀!」


 ハクは氷を刀のように手に纏わせ、ジラの首を切りつけた。


「決まったニャ!」


「ごわーす!」


 見事なハクの一撃に歓声があがる。

 しかし、ジラの首は傷つくことはなかった。

 逆にハクの腕の氷が、バラバラと音を立てて崩れた。


「なっ……、ぐはっ!」


 渾身の一撃が通用せず、一瞬動きが止まったハクをジラの首が吹き飛ばした。


「ハク!? がっ!」


 さらに地上では、シュエがジラの蹴りを喰らい地面へと転がった。

 ジラが首を縮め、元の位置に戻す。

 そして仁王立ちで腕を組んだ。


「ふん。

 二人がかりでもこんなものか……」


 そう言い捨てられたハクとシュエだったが、砂埃の立つ中をゆっくりと立ち上がった。


「まだまだ……。

 これからですよ」


「そう、これくらい猫雪山の過酷さに比べたら大した事ない」


 ふらふらながらも、二人の目には強い光が宿っていた。

 それを見たジラがニヤリと笑う。


「フッ、そうでなくては面白くない」


読んでいただきありがとうございます。


ジラの強さ、流石は超獣拳って感じです。

ハクとシュエに勝機はあるのでしょうか。


次回、決着!?


よろしくお願い致します。



評価なども頂けたら嬉しいです。

お願いします。

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