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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第二章 VS超獣拳〜
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第五十六集 驚愕ニャ! 超獣拳の妙技!


「参るぞ! ティグとやら!

 巻き角の妙技を味わうがいい!」


「妙技だって?

 それは是非味わいたいね!」


 ティグがそう言って身構える。

 威勢の良い事を言っているが、その顔は引きつっていた。


突巻角とつけんかく!」


「うぉ!」


 独特な巻き角を前に押し出して突進するマルコ。

 それはかなりの速さだったが、ティグは間一髪躱した。


「よくぞ躱した!

 だが、まだまだよ!」


 マルコは高速で反転し、またしてもティグに襲い掛かる。

 しばらくその繰り返しとなったが、慣れてきたのかティグは余裕を持って躱せる様になってきた。


「妙技って感じはしないな!」


「ほざけ!」


 再び突進を試みるマルコ。

 するとティグはそれを正面から受け止め、今度は巻き角を脇で抱えた。


「へし折ってやる!」


 ティグの筋肉が盛り上がり、マルコの角がしなる。


「いいニャー! ティグ!

 そのままぶち折るニャー!」


 タマの声援にますます力が入るティグ。


「むん!」


 だが、追い込まれているはずのマルコの顔は何故か笑顔だった。


「掛かったな」


 マルコがそう言った瞬間、なんと巻き角が螺旋状に回転し始めた。


穿孔巻角せんこうけんかく!」


「ぐおぉぉぉ!」


 回転する巻き角によって、ティグの脇腹と抱えていた腕が抉られた。

 ティグはすぐに角を離し、後ろへと飛んで距離を取った。


「ぐっ……」


 脇を押さえ膝をつくティグ。

 その顔は痛みで歪んでいた。


「ティグー!」


 ワンフーが叫ぶ。

 ティグはその心配の声を手を上げて制した。


「大丈夫だ!

 まだ闘える!」


 その様子をマルコは腕を組んで眺めていた。


「ほう、まだ闘えるか。

 そうでなくては面白くない」


「気が合うな。

 オレもやられてばっかじゃ面白くない」


 ティグが立ち上がる。


「今度はこちらから行くぞ!

 蛇虎爪拳じゃこそうけん!」


「出たでゴワス!

 ティグの得意技でゴワス!」


 ティグがマルコとの間合いを詰め、拳を放つ。


「そんな鈍い拳など……なっ!」


 ティグの攻撃は特別速くはなかった。

 その分簡単に躱されるかと思ったが、ティグの爪はマルコの肩を切り裂いた。


「蛇虎爪拳……。

 トラの中で随一のしなやかさを持つ、ティグならではの技。

 これを見極めるのは容易ではありません」


 ティグがマルコに怒涛の攻撃を仕掛ける。

 マルコは躱し受けるが、変幻自在のティグの蛇虎爪拳がマルコの体をその度に切りつけた。


「中々の拳筋!

 しかし!」


 ティグが再度仕掛けた時だった。

 マルコの顎に蓄えたヒゲが、なんとグングンと伸びてティグの首に巻き付いた。


「超獣拳秘技、顎髭蔓がくしばん


 マルコは髭を自在に操り、ティグの体を宙へと持ち上げた。


「ぐ、がっ……」


 何とか逃れようと足をジタバタさせるティグ。

 しかし首に深く巻き付いた髭は、次第にティグの体力を奪っていった。


「どうだった?

 我の妙技の味は?

 死後の世界への土産にするがよい!」


 そう言うとマルコは、巻き付けた髭でティグの体を空高く放り投げた。

 そしてすぐさま飛び上がり、意識朦朧のティグを追いかけた。


「穿孔巻角!」


「ティグーー!!」


 ティグの体がマルコの巻き角に貫かれた。

 鮮血が空から降り注ぐ中、僕らの叫びが虚しく響いた。


「ふん!」


 空中でマルコが首を大きく降る。

 するとティグの体が角から外れ、こちらへと投げ飛ばされた。


「ごわ!」


 それを受け止めたのはワンフーだった。

 ワンフーはすぐにティグの体を地面へと横たえると、傷口を両手で押さえ止血をした。


「医者を!

 すぐに医者を呼ぶでごわす!」


「ワンフー、医務室へ!

 そのほうが早い!」


「ごわす!」


 ワンフーは着ていた道着の一部を破り、ティグの傷口に巻きつけた。

 道場の方へ駆け出そうとした時、その背中に声をかけたのはライだった。


「ワンフーさん、この敵は僕が必ず」

 

 ライと目を合わせたワンフーは大きく頷いた。


「ライ殿、頼むでごわす」


 そう言い残し、ワンフーは急いで道場へと向かった。

 その後ろ姿を見送ったライは、続いてマルコへと視線を向けた。

 ライの視線を受け、マルコが口を開く。


「次の相手は貴様か?

 随分と幼いようだが……。

 あのトラの様になりたくなければ、引っ込んでいるんだな」


 マルコが挑発するように言い放ったが、ライは静かに微笑むだけだった。

 ただその大きな瞳には、怒りの炎が宿っていた。


「容姿に気を取られ、実力を見抜けぬ様では……。

 この闘い、頂いたも同然ですね」


「若造が……。

 抜かしたな!」


 臨戦態勢に入るマルコ。

 それを見て、ライもゆっくりとした所作で優雅に構えてみせた。

 

「獅子爪牙拳、王者の拳をお見せしましょう」


 

読んでいただきありがとうございます。


ティグが最初の犠牲者に……。

エノが懸念した通り、超獣拳との闘いは生命をかけたものになります。


次話、研鑽会の優勝者、ライがその力を見せます。


よろしくお願いします。



『ブックマーク』と『いいね』もよかったらお願いします。

評価もして頂けたら、重症のティグも持ち直すかと思います。


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