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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第二章 VS超獣拳〜
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第五十四集 今度は自力ニャ! 飛ばせ、猫爪破!


「獣力を獣脈に巡らせ、へその下の獣力溜りに一度溜めます。

 そこで滞留させることで質を向上させます。

 それから……」


 僕らは道場の外にある修練場に来ていた。

 屋内の道場だとどうしても手狭になるが、広い修練場なら思う存分獣力破を放てる。


「zzz……」


「タマ! 寝てる寝てる!」


 タマの肩を揺さぶり、目を覚まさせる。

 シュエの説明は丁寧で分かりやすいと思うのだけど、タマにはどうやら少し難しいようだ。

 これにはシュエも苦笑いだった。


「どう言えば良いですかね……」


「すみません。

 ジュワ〜とかグルグルとか、感覚的に言ってもらえると分かるかと思うのですが……」

 

「ジュ、ジュワ〜、グルグルですか……?」


 アムの教え方を参考にしてみたが、これにはシュエも困惑顔だった。


「えーと、そうですね。

 とりあえず、爪に獣力を纏わせる事は出来るのでしたね?」


「ニャっす!

 出来ニャす!」

 

 タマが爪を出して獣力を纏わせた。

 タマの爪が青白く光る。


「ふむ、良いですね。

 後はへその下に溜めた時と同じ様に、爪から掌にかけて滞留させます。

 グルグルーですね。

 滞留させる事で獣力が安定し、体から切り離してもその力はしばらくの間保たれるのです」


「ニャるほど……。

 爪と掌でグルグルーかニャ」


 そういえば、アムにも「練らんかい!」って言われていたっけ。

 タマは獣力の練りこそが課題なのかも。


「うーん、難しいニャ。

 グルグル出来る範囲が狭いニャ」


「体全体を使うのとは訳が違いますからね。

 爪は特に細いですし。

 でもその分、鋭い獣力破が放てるはずです」


「ニャむむ……、ニャ!」


 タマが突然、爪を下から上へと大きく振るった。

 すると青白い刃が爪から飛びだした。

 だがそれも一瞬で、すぐに風の中へと散っていった。


「やっぱりだめニャか……」


「もう少し安定させないとダメですね」


 シュエはそう言うと、爪の先から小さな青白い弾を放った。

 放たれた弾は、少し先にあった木の的に当たった。


「おおー!」


「ニャ〜!」


 僕とタマが拍手をすると、シュエは「大した事ない」といった様に首を横に振った。


「この程度ならすぐに出来るようになりますよ。

 タマさん、指一本だけに獣力を纏わせる事は出来ますか?」


「指一本かニャ?」


 シュエに言われた通りに試みるタマ。

 するとなんとか、右手の人差し指だけを光らせることが出来た。


「出来たニャ!」


「良いですね。

 その感覚で、爪の獣脈にも獣力を通してみましょう」


「ニャむむ……」


 タマが苦心の表情を浮かべる。


「うーん、感覚的には纏わせるのも、獣脈を巡らせるのも似ていると思うのですが……」


 シュエも負けじと困惑した顔をした。


「む、そういえば」


 シュエは、急に何か思いついた様に顔をハッとさせた。

 すると突然、シュエがタマに向かって鋭い手刀を落とした。


「ニャンと!?」


 タマは慌てて掌を頭の上にかざし、シュエの手刀を肉球で受け止めた。


「ニャニャ!? ニャにするニャ!」


 シュエがニヤリと笑う。


「すみません。

 研鑽会でお見かけした、その肉球の受けを直接見てみたくて。

 タマさん、その技どうやっているのですか?」


 突然の出来事に戸惑いながら、タマがシュエに説明した。


「これはゴウリ様に習ったニャ。

 簡単に言うと、獣力と肉球とを混ぜ合わせるって感じニャね」


 タマの言葉にシュエの銀色の目が一際キラリと光った。


「それですよ! その感覚こそ獣力を滞留させている状態に近いと思います。

 その感覚で爪と獣力を混ぜ合わせてみましょう!」


「ニャーる!

 柔弾肉球の感じで、爪も獣力と……」


 タマがブツブツと言いながら、掌を見つめ集中し始めた。

 しばらくそうしていたが、次第にタマの掌から爪にかけてが青白く光り始めた。

 "ネコぱんち"の時とは微妙に違って、その色が少し濃い様に見えた。


「今です!」


「猫爪破ー!!」


 シュエの掛け声を合図にタマが爪を振るう。

 するとタマの爪から三日月型の青白い刃が飛び出した。

 その刃は一直線に進み、先程の的へと当たるかと思われたが、その直前で突然霧消した。


「やったニャ……。

 出来たニャ! 猫爪破!」


 タマが飛び上がりながら満面の笑顔を見せた。

 シュエも笑顔を見せ、タマへ拍手を贈った。


「素晴らしいです、タマさん!

 的へは後一歩でしたが、このまま鍛錬を続ければきっと実戦でも使えます」


「やったね! タマ!」


 タマが僕らの下へ飛んで来て、隣同士で並ぶ僕とシュエに同時に抱きついた。


「ありがとニャー、シュエさん!

 エノもニャ!」


 タマがシュエの胸へとおでこをグリグリと擦り付ける。

 突然抱きつかれたシュエは驚いていたが、すぐに優しい笑顔をタマに向けた。


「よく頑張りましたね。

 でもまだまだこれからですよ。

 それに約束通り、私の修行にも付き合ってもらいます」


「喜んで付き合うニャ!」

 

 後ろ宙返りで僕らから距離を取るタマ。

 抱拳礼をしながら着地を決めた。

 シュエが笑顔から一転、厳しい表情で言う。


「私はおそらく超獣拳ジラと闘う事になるでしょう。

 あの者の長い首を活かした攻撃は変幻自在。

 なので、死角からの攻撃にも反応できる対応力を磨きたいのです」


「ニャるへそ……」


 タマが本当に分かったのか、最もらしい表情で考え込んでいる。

 タマが怪しいので、僕も何かないかと考えていると良い案が浮かんだ。


「僕が砂埃を起こすので、その中からタマが襲い掛かるというのはどうでしょう?

 変幻自在とは少し違うかもしれません。

 でも視界が遮られますし、突然の攻撃という感じは味わえるのでは?」


 僕の提案をシュエは頭の中で想像している様だった。


「良いかもしれません。

 タマさん、エノさん、早速試してみてもいいですか?」


「もちろんニャ!

 エノ! 砂塵障壁ニャ!」


「よしきた!」


 ウー大師よろしく、背中から棒を取り出す。

 その棒にヒト力(仮)を纏わせ、高速で回し地面を抉った。

 そして徐々に砂埃が立ち始めた所で、タマが構えた。

 それを見てシュエも半身になった。


「行くニャー! シュエさん!」 


「いつでも!」


 ドンドンと立ち込める砂埃の中へタマが飛び込む。

 それから程なくして、爪と爪とがぶつかり合う甲高い音が何度も聞こえてきた。


「こっちニャ!」


「くっ!」

 

読んでいただきありがとうございます。


タマが猫爪破を使えるようになりそうです。


次話はいよいよ開戦。

先陣をきるのはまさかのアイツ!?


よろしくお願いします。



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