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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第一章 転移と出会い〜フェリダエ武獣研鑽会まで
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おまけ 祭りのあとニャ!


「皆さん、お疲れ様でした。

 皆さんのお陰でフェリダエ武獣研鑽会、無事に終えることが出来ました。

 選手として参加してくださった方も、尽力してくれた運営も本当にありがとうございました!」


 表彰式も終え、僕らは虎皇拳の道場へと戻ってきた。

 そこでは虎皇拳の皆が、慰労会の様なものを開いてくれていた。

 研鑽会の出場者は全員招待されていたが、辞退した者も数名いたらしい。


「それではアム様、一言お願い致します」


 最初の挨拶をしたフーが一礼して下がる。

 代わって前に出てきたアムはご機嫌だった。


「みんな、お疲れちゃんだったわね!

 素敵な闘いをたくさん見られて、アタシ的にも"やったぜグッ!"って感じだわ。

 美味しい食べ物や飲み物も用意したわ。

 食べて飲んで、大いに語り合って頂戴! チュッ♡」


 最後は投げキッスのおまけ付きだった。

 早速脱落者が出るかと思われたが、流石研鑽会に参加した猛者たちだった。

 

〈というかアムさんって、公の場でもあのキャラでいいのか……〉


 周りを見渡しても、アムの強烈な個性に戸惑った素振りを見せる者はいなかった。

 周知の事実だったのか?

 まぁこの世界の流儀、"細かい事は気にしない"でいいか。


「なんで? なんでお前までウホウホ言ってたんだよ!

 笑いそうになったじゃねーか!

 アハハハハッ!

 あー、おっかしー……」


 リバがゲパの背中をバンバンと叩いている。

 

「いや、なんか興奮してしまって……」


 ゲパは顔を赤くしていた。

 いつも冷静で真面目な印象のゲパだけに、リバ対クーニャン戦のあのウホウホは確かにびっくりだった。

 もちろんふざけてた訳ではなく、真剣にリバを鼓舞しようとしたのだろうけど……。

 今思い返すとちょっと面白い。


「でもあの時、ゴウリ師匠の大猩音が聞こえて来た時はびっくりしたニャ!

 てっきり帰ったとばかり思ってたニャ!」


「アタシもビックリしたよ!

 でもなーんか、あの時は力が湧いてきたなー。

 ゴウリの事苦手だったんだけどな〜」


 腕を組んで首を傾げるリバ。

 その仕草が妙に可愛らしくて、ちょっとイタズラをしてみたくなった。


「あ、ゴウリさんだ!」


「え! どこどこ?」

 

 慌ててゲパの後ろに隠れるリバ。

 まだ完全に克服したって訳ではないみたいだ。


「エノ! てめぇ!」

 お前、アタシの事舐めてんだろ!」


「わぁー!

 ごめんなさい! ごめんなさい!」


 リバに首を固められ、拳骨で頭をグリグリされた。

 前にゲパがやられてて、うら……ゴホン、痛そうと思っていたやつだった。

 現に痛かった。

 でも、そのなんというか……。

 とりあえず抱拳礼をしておこう。


「皆さん、随分楽しそうですね」


「あ! ライじゃねーか!」


 フェリダエ武獣研鑽会、優勝者のライが僕らが囲む食卓へとやって来た。

 早速リバが絡んで、「次は負けねー」なんて言っていた。

 でも次第に、獣力の扱い方について意見を交わしたりして、武獣家らしい会話になっていった。

 ライは見た目通りとても礼儀正しくて、僕にも丁寧に挨拶してくれた。

 中性的で、落ち着いていて品がある。

 見た目を気にしない者が大半のこの世界でも、ライは多分人気者だと思う。

 そういえば決勝戦でも、何やら黄色い声援が飛んでいたっけ。

 きっと"ライギーク"も既に存在しているのだろう。


「ところでライさん、リオンさんってホントにカッコいいですよね!

 颯爽と現れ、タマのピンチを二回も救ってくれたし。

 審判席ではなんか面倒くさそうに座ってたのに……。

 いつもあんなふうに、"やる時はやる!"って感じなんですか?」


 僕にそう聞かれたライは、うんうんとにこやかに頷いた。


「リオン様を初めて見た方は、大抵そう仰っしゃられますね。

 でもリオン様はフェリダエ一、いや、この大陸一の働き者だと思います」


「えー!」


「あんなダルそうに話すのにか!?」


 ライが頷く。


「リオン様は常に獅子爪牙拳の事、そしてフェリダエの事を思っています。

 自ら門下の者に指導もされますし、里の巡回なども頻繁に行かれます。

 かといって独裁というわけではありません。

 我々の意見にも耳を傾けてくれますし、誰に対しても隔てがありません。

 理想の主と言っていいお方です」


「ニャー……」


 タマは呆気に取られてぼっーとしていた。

 そこへ方方に挨拶して回っていた、アムとフーがやって来た。


「アタシと一緒ね」


「"誰に対しても隔てがない"という部分ですね」


 誇らしげに胸を張ったアムに、フーが鋭くツッコむお馴染みの光景だ。


「何よ〜、ちゃんと指導もしてるじゃないのよ」


 アムが頬を膨らませて抗議の意を示すと、フーが呆れたように何度も首を横に振った。


「あれは指導とは呼べません。

 ただ、来た者をぶっ飛ばしているだけです」


「あら? ちゃんとアタシの想いも込めてるのよ」


 アムがそう言うと、タマが元気良く手を上げた。


「ニャー! ニャー!

 ワタシはちゃんとその想いを受け取ったニャ!」


 そういえばタマもアムにぶっ飛ばされて、虎皇拳の道場の壁をぶち破ってたな。


「ホントか〜?

 じゃあ、どんな想いが込められてたんだよ?」


 リバがニヤニヤしながらタマの顔を覗き込む。

 

「えっと、その……、が、"頑張れ!"……ニャ!」

 

 タマがなんとか捻り出した答えに、リバは腹を抱えて大爆笑だ。


「言うに事欠いてそれかよ!

 "頑張れ"って、随分と単純だな!

 アーハッハッハッ! 腹痛ー」


 リバの隣ではレサも笑って転げ回っていた。

 すると、そんな二人の様子を見ていたアムの目がキラリと光った。


「タマちゃん、正解よ!」


「正解かい!」


「ズリーぞ! アムねーちゃん!」


「絶対ウソだ……」


 みんなから色々言われても、アムは全く動じなかった。

 それどころか何処か嬉しそうにさえ見えた。


「さぁアム様、そろそろ行きますよ。

 まだ挨拶回りは終わっていません」


「あら、そーなの?

 仕方ないわねー。

 じゃあね。アンタたち。

 また後で遊んであげるわ♡」


 アムは投げキッスを置き土産に、フーに腕を引かれ別の武獣家達の輪に加わっていった。


「遊んであげるって……、さり気なくめちゃくちゃ怖ぇー事言ってたな……」


「ですね……」


 アムの残滓に怯えていると、何故かライもふるふると震えていた。


「ラ、ライさん?」


「素敵です」


「ニャ?」


 ライが瞳を輝かせながら、ボソッと呟いた言葉に僕らは耳を疑った。

 素敵? 今のやり取りに、素敵な所なんて一つもなかったはずだ。


「アム様と皆さんには、主従を越えた信頼関係を感じました!

 なんて素敵な関係性なんだろう!

 僕もいつかリオン様に"正解かよ!"とか"ズルいな"とか言ってみたいものです!」


 興奮気味に語るライ。

 そんなライを見て、僕らの心は一つだった。

 決して自分たちを卑下するわけじゃない。

 でもやはり、こう言わずにはいられなかった。


「やめとけ」

「やめるニャ」

「やめましょう」

「絶対ダメゴリ……」


 でもこんなにハッキリと止めたにも関わらず、ライは変わらずに憧れの眼差しを僕らへと向けてきた。


「素敵です……」

 

 

 

読んでいただきありがとうございます。


おまけという事で、このお話全体に在る、コメディ色の強さを全面に出したつもりです。

文の拙さから伝わらないかもしれませんが……。


さて、このおまけにて第一部終了となります。

想像していた以上の方が読んでくださり、モチベーション高く毎日書くことが出来ました。。

お陰様で10万字を超えることが出来ました。

改めてありがとうございます。


といっても、また明日から新章を投稿します。

なんとか毎日投稿続けたいと思います。

これからもよろしくお願いします。


"ブックマーク"、それから"いいね"を下さった方も本当にありがとうございます。

嬉しかったです。

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