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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第一章 転移と出会い〜フェリダエ武獣研鑽会まで
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第四十四集 誕生! フェリダエ四天武獣ニャ!


 フェリダエ武獣研鑽会が終わった。

 決勝戦は結局、虎対獅子、大本命同士の闘いとなった。

 まずライは八強戦で雪尾拳シュエを破った。

 

風雪尾扇ふうせつびせん!」


 シュエは尻尾を高速で回して吹雪を起こした。

 そしてそのままライを凍らせ氷像にしようとしたが、ライは獣力でもってそれを阻んだ。

 それを見たシュエは、同門のハクと同じ様に自ら降参を申し出た。

 雪尾拳の二人の行動は物議を醸した。

 だが、それも試合が進むに連れて忘れられていった。


「出ると言ったら出る!

 棄権なんてぜってぇーしねーぞ!」

 

 四強戦はリバ対ライだった。

 ただリバはクーニャンとの試合でかなり消耗していた。

 みんなが止めるのにも関わらずリバは強引に出場したが、やはり手負いの状態ではライに敵うはずもなかった。

 

「獅子獣力衝!」


 獅子形の獣力を帯びた拳をライが振るうと、リバは躱すことが出来ずそれをまともに喰らった。

 気を失ったリバが目を覚ましたのは日が落ちてからだった。


「ちきしょー!

 情けねぇ……」


 リバは泣いて悔しがったが、フーに慰められて落ち着きを取り戻した。

 

「でもライは強ぇーな……。

 万全な状態で闘っても厳しかったかもなー」


 もう一方の山で勝ち上がったのはワンフーだ。

 四強戦はタマに勝ったリュンピョウが相手だった。


「雷下咬拳・滅!」


 リュンピョウは雷下咬拳・滅を何度も繰り出し、ワンフーをあと一歩まで追い詰めた。

 ただワンフーの耐久力はリバを凌ぐほどで、結局最後はワンフーがリュンピョウを押し潰した。


「圧死虎傘!」


 奇しくも同門のスンピョウと同じ道を辿ったが、リュンピョウの雷下咬拳・滅が、観たものに与えた衝撃は計り知れなかった。


「いよいよフェリダエ武獣研鑽会、決勝戦になります!

 まずは虎皇拳ワンフー!」


 リースの呼び込みで始まった決勝戦。

 その闘いは決勝戦に相応しいものとなった。


「虎気砲!」


「獅子獣力衝!」

 

 ワンフーが獣力の虎を飛ばし、ライがそれを獅子の拳で打ち消す。

 しばらくそのやり合いが続いたが、先に技の勢いを失ったのはワンフーだった。


「ご、ごわす!」


 虎気砲の威力が弱まったのを見て、ライが素早い動きでワンフーとの間合いを詰める。


「獅子昇脚!」


 体を伸ばしたままの、後ろ宙返りの様な格好でワンフーの顎を蹴り上げるライ。

 ワンフーも万全の状態なら受けるなり躱すなり出来たかもしれない。

 だがワンフーも、此処までの闘いでかなり消耗していた。

 ライの獅子昇脚を思いっきり顎に受けてしまった。


「ごわごわすー……」


 目を回し、千鳥足になるワンフー。

 千載一遇の好機、ライが見逃す訳はなかった。


「獅子千里脚!」


 ライが飛び上がり空中で廻し蹴りをする。

 すると、ライの足から青白く光るライオンの全身が現れて、ワンフーへと襲い掛かった。


「ごわー!」

 

 獣力のライオンに襲われ倒れるワンフー。

 それを見て、アムとリオンが目を合わせ頷きあった。


「勝者ライ!」


 リオンが高々と宣言すると観客席から万雷の拍手が送られた。

 ワンフーを襲っていたライオンは、アムが「こらっ!」と一喝すると尻尾を巻いてその姿を霧消させた。

 それを見たライは苦笑いだった。


〈イタズラした子供じゃないんだから……〉


「ア、アム様、助かったでごわす……」


「ワンフー、よく頑張ったわね。

 虎皇拳の代表として相応しい姿だったわ」


 アムに労われたワンフーだったが、がっくりと肩を落として項垂れた。


「しかし……、決勝では無様な姿を見せたでごわす……」


「無様なんかじゃニャいニャ!

 ワンフーさんは、満身創痍でも己の最上尽くしたニャ。

 武獣家として立派だったニャ」


 突然のタマの登場に、項垂れていたワンフーが顔を上げる。


「タ、タマ殿……」


「それにこの拍手が聞こえニャいかニャ?

 これは優勝者のライさんにだけ贈られたものじゃニャい。

 ワンフーさんの闘いに対する答えでもあるニャ!」


「タマどのー!!」


 ワンフーが起き上がり、タマの手をガバッと取る。

 そして泣きながらぶんぶんとその手を振り回した。


「へぇ〜、タマちゃん! 良い事言うじゃない!」


 二人のやり取りを見ていたアムが、感心した様に目を丸くする。

 そんなアムに僕はそっと一言耳打ちした。


「ゴウリさんの受け売りです」


「そういう事ね……」


 アムが納得した様にニコっと笑う。

 そして、タマの手を振り回すワンフーに近づくと、その肩にポンと手を置いた。


「タマちゃんの言う通りよ、ワンフー。

 表彰式では胸を張りなさい!」


「ごわす!」


 その後行われた表彰式。

 まずは四強戦で破れたリバとリュンピョウに銅の賞牌、つまりメダルが送られた。

 これは僕の記憶から掘り起こしてフーに伝えたものだ。

 ただ金属ではなく、石に木の樹液を塗って固めたものらしい。

 でも光沢のあるそのメダルは、昔見たものを思い出させた。

 

「リバ、一皮剥けたんじゃない?

 これからも楽しみにしてる」


「リュンピョウ、雷下咬拳の派生系、この目で見られるとは思わなかった。

 でもまだ未完成でしょ?

 期待してるわ」


 国主として、リオンがメダルを一人一人の首にかけて回る。

 全身包帯だらけのリバとリュンピョウだったが、その姿は誇らしげだった。

 

「ヘヘっ、自分じゃわかんねーけど、リオンさんに言われたら自信になるな!」


「お察しの通りです。

 これからも精進致します」


 次は準優勝となったワンフーに銀メダルが贈られた。


「あなたの様な後継者がいて、アムが羨ましいわ。

 素晴らしい闘いだった」


「ごわす!

 身に余る光栄でごわす!」


 ワンフーはアムに言われた通り、しっかりと胸を張っていた。

 張りすぎて少しふんぞり返ってるくらいだった。

 そして最後に優勝者のライに金メダルが贈られた。


「ライ、あなたを誇りに思います。

 これからも私を支えて下さい」


「はっ!

 この命、リオン様の為に」


 リオンの前に片膝をついて抱拳礼をするライ。

 その二人の姿は実に画になる光景だった。

 観客席からも大きな拍手が贈られた。

 その中には黄色い声援も混ざっていた。


「この四名をリオンとアムの名の下に、"フェリダエ四天武獣"と呼ぶことにするわ!

 みんなよろしくね!」


 アムが周囲に向かってそう宣言すると、再び割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こった。


「じゃあこれで、フェリダエ武獣研鑽会を終わりまーす!

 みんな、気をつけて帰ってね〜!」


「そんなあっさり!」


「そんなもんニャ」


「そんなもん……」


 思ったよりあっさりと終わった表彰式だった。

 そんな中でふと見かけた、雪尾拳の二人の曇った顔が気になった。

 悔しさとも違う。

 何かを警戒しているようなその顔は、祝福と喜びに溢れた会場の中でいかにも異質だった。


読んでいただきありがとうございます。


タマが敗退して以降の闘いをどうするか悩みました。

結局、上記のようにまとめてしまいました。

決勝戦なんかは、もっと丁寧に書くべきだったでしょうか……。

タマやエノとの関係性が、リバとクーニャン以外は現時点では薄いかなというのもありました。

楽しみにしてくださっていた方、もしいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした。


研鑽会が終わってもタマ達の闘いは続きます。

どうかそちらもよろしくお願い致します。


3日連続100pvとはいかなかった。

一話から一気に通して読んでくださった方がいらっしゃったんですね。

ありがとうございます。

もちろん毎日のように追ってくださってる方も、いつも本当にありがとうございます。

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