表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第一章 転移と出会い〜フェリダエ武獣研鑽会まで
36/89

第三十五集 他人行儀はイヤでごわす!


「いやー、それにしてもタマの試合は面白かったなー。

 ゴウリのモノマネに、アムねーちゃんの技まで飛び出すんだからな!

 驚いたよ!」


「そうよ!

 アタシの"愛・アム・レディ"をいつの間に!

 でも、全然オッケーよ〜。

 だだし、形にはなってたけどまだまだよ」


「一度喰らったあの時から、実は自分なりに練習してましたニャ!

 これからも練習しますニャ!」


 一回戦が全て終わり、研鑽会の一日目が終了した。

 僕らは虎皇拳を宿舎にしているので、道場へと戻ってきていた。

 そこでアムを交えて、今日一日を振り返っていた。

 フーやリースなどは明日の準備で、日が落ちてからも忙しいみたいだった。


「タマ、お前の拳法って何拳だ?

 猫爪拳に虎皇拳、さらに大猩拳まで使うなんてなー!」


「自分でも最早わからニャいです……」


 リバに聞かれたタマは、恥ずかしそうに指で頬を掻いていた。


「三つ合わせて、さしずめ"ね・こ・しょう拳"ってところだな!

 アハハハハっ!」


 リバが腹を抱えて大笑いする。

 ゲパがそんなリバを見て呆れたように言う。


「そんな大笑いするほどじゃ……」


「うるせー!

 あっという間に負けた奴が生意気言うなー!」


 リバがゲパの頭を腕と脇とで締め上げ、げんこつで頭をグリグリする。

 

「うりゃうりゃ」


「痛い痛い!」


 研鑽会はタマの試合の後も熱戦が続いた。

 リバは大耳拳の道場主と闘い、激闘の末なんとか破り二回戦に進んだ。

 ゲバは猫爪拳の主クーニャンに勇猛果敢に挑んだが、全ての攻撃を躱された上、爪を首に突きつけられ降参した。

 一回戦の最後を飾ったのは、礼服を着た金髪ライオン男子、獅子爪牙拳のライだった。

 雷下咬拳のヌンピョウなる武獣家と対戦したライは、ターチが試みて失敗した雷下咬拳へのカウンターを見事に決め、格の違いを周囲に見せつけた。

 

「それにしてもびっくりしたニャ!

 レサがあんな大声を出すなんて!

 思わずゴウリ様の真似をしちゃったニャー」


「いや、血が騒いだと言いますか……」


 顔を軽く赤らめ、頭を掻くレサ。

 いつも表情に乏しい彼女にしては珍しい光景だ。


「それにしても、よく咄嗟にゴウリさんの真似なんて出たね!

 ウホウホウホー!って」


「ニャー、大猩拳にいた時に、よくレサとゴウリ様の真似して遊んでたニャー」


 カルと闘った時を再現するように、タマが自分の胸を軽くパタパタと叩く。


「あれも実は修行の一つ……。

 大猩音だいしょうおんは大猩拳の基本の技。

 ゴウリ様に言われて、遊びの延長でワタシが修行をつけた」

 

「ニャんと!」


 タマが目を丸くして驚く。

 尻尾も垂直にビーンとなっていた。

 

「大猩音もゴウリ様がやれば辺り一面瓦礫の山……。

 単純な技だけど威力はある。

 タマは元々声がデカいから素質があった」


「声がデカいニャんて、女の子に失礼ニャー」


 などと言いながらも、タマは呑気にネコ特有の顔を洗う仕草をしていた。

 全く気にしてない感じだった。


「ホントホントー!

 アタシもよく言われるわー!

 女の子に向かって失礼しちゃう!」


 アムがお馴染みの体をくねらせる仕草で言う。

 フーが不在の中、唯一のツッコみ役であるリバが呆れていた。

 

「流石に女の子は無理があるだろ!」


「でもリバ様も声がデカい……」


 ゲパが聞こえないよう小さな声で呟いた。

 隣でターチもうんうんと頷いた。

 しかし、リバには聞こえてしまったようだ。


「こんにゃろ! まだ言うか!

 大口叩くのはクーニャンに一撃でも当ててからにしやがれ!」


「ギャー!」


 今度は複雑な関節技で全身を極められ、ゲパは悲鳴をあげていた。


「タマ殿ーー!!」


「ニャー!」

「わー!」


 ワイワイやっていた僕らの前に、突然大男が現われた。

 大男というか大虎だ。

 ケモノ型のトラで、アムほどではないがかなり大きく、特に横にデカい。

 フーの弟のワンフーだった。

 ワンフーが号泣しながらタマの手を取って言う。


「タマ殿の闘いぶり最高でごわした!

 聞けば繰り出した技は、ゴウリ様やアム様の技だったとか。

 種族に囚われない貪欲な姿勢。

 それがし大いに感銘を受けたでごわす!」


「ニャニャー!?

 あ、ありがとうございますニャ、ワンフーさん!

 まぁ、ゴウリ師匠の所に行ったのは、アム様に言われたからニャンだけど……。

 ワンフーさんの闘いもすごかったニャ!」

 

 ワンフーの勢いに押されながらもタマが応える。

 ワンフーは話を聞いているのかいないのか、泣きながら「うんうん」と何度も首を縦に振っていた。


「ちょっとタマちゃん!

 アタシの技を使ったくせに"アム様"なんて他人行儀よ。

 オネーさんと呼びなさい!

 オネーさんと!」


「オ、オネーさんですかニャ!?

 わ、わかりましたニャ」


 アム独特の感性に戸惑いながらも、タマはその命令を受け入れた。

 相変わらずアムは飾らないというか、偉ぶらないというか。

 とにかく規格外の一言だ。


「ところでオネーさん、姉が相談したい事があるらしいでごわす」


「いや、アンタはダメよ」


 アムの冷静な一言が静かな道場に響いた。

 

読んでいただきありがとうございます。


気がつけば35話まで進んでいました!

読んでいただいてる皆さんのお陰です!


次回、タマVSミケ!


"★"や"いいね"、"ブックマーク"など、していただけたら嬉しいです。

励みになります。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ