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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第一章 転移と出会い〜フェリダエ武獣研鑽会まで
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第三集 サルタマ合戦!?

 

 現れたのは3匹のサルだった。

 さっきは10匹以上いたので、手分けして探していたのだろう。

 相変わらず目がクリクリだ。

 

「見つけた〜」


「あれ〜、ネコと一緒だ〜」


 動きもスローだが、喋りもスローだ。

 絶妙に相手をイライラとさせる話し方だ。

 隣を見るとタマの毛が逆だっていた。


「ここはフェリダエ、ネコと一緒にいて当たり前ニャ!

 お前たちこそここで何してるニャ!」


 サルたちはニヤニヤしながら答える。


「何って〜、喧嘩を売りにきたんだよ〜。

 豹猟拳ひょうりょうけんは物足りなかったから相手してよ〜」


 タマが言うには、豹猟拳は素早い動きが特徴で、国境に道場を構えているらしい。

 その素早さを活かして、エープとの広い国境の警備を担当しているのだとか。


「その喧嘩、買ってやるニャ!」


 タマの手から鋭い爪が飛び出す。

 サルたちに飛びかかるタマ。

 襲われた時の事を思い出し、慌ててそれを止める。


「タマ! ダメだ!」


「ニャ?!」


 タマはその声を聞いて、頭上の枝に爪を引っ掛け急ブレーキをかけた。

 枝にぶら下がるタマの足先を、サルの放った毒がかすめていった。

 地面に落ちた毒がジュ~と音をたてた。


「ニャンと!」


 サルが舌打ちをする。


「チッ、外した〜」


 タマが枝を軸にぐるりと一回転し、こちらへと戻って来る。

 流石ネコ、すごい身体能力だ。

 と思ったら着地に失敗した。


「痛たたた……。

 エノ、助かったニャ。

 毒のこと知ってたのかニャ?」


「うん。さっき追われた時にね。

 僕も危うく浴びるところだったんだ」


 サルたちがゆっくり近づいてくる。

 相変わらずニヤニヤと笑っている。


「この毒で豹猟拳の連中もやられたに違いニャい。

 毒を使うサルの流派なんて聞いたこと無いニャ。

 動きで油断させて、話し方でイライラさせて、飛んできたところに毒をはニャつ。

 よく出来てるニャ」


「初見殺しってヤツだね」


 しかし、どうする?

 動きは遅いけど、毒を放つのは早い。

 タマもかなり素早いが無傷では済まないだろう。

 しかも相手は3人?いる。


「そ〜ら」


 サル達がどんどん毒を飛ばしてくる。


「エノ! 下がるニャ!」


 タマは素早い身のこなしでそれらをかわす。

 ただ、動きがぎこちない時もあり、ハラハラさせる。

 その中でも隙をついてサルに迫るが、一撃を加える事は出来ない。


「近づくのはやっぱり難しいか」


 木の陰に隠れながら戦況を見つめる。

 何か遠くから攻撃出来る方法が無いか?

 とりあえずカバンの中を見てみる。

 

「うーん、無い、無い」


 ガサゴソと漁っていると、獣総栄食がカバンからこぼれ落ちた。

 タマがそれに気が付いて、こっちへと飛んできた。

 何か思いついたって顔だ。


「エノ! それもう一本くれニャ!」

 

「え? 別にいいけど……」


 獣総栄食を渡すと、タマはあっという間にそれを食べきった。


「さっきコレを食べた時にすごい力が溢れてきたニャ。

 その力があれば、まだ未完成の技を完璧に放つことが出来るかもしれニャい!

 きたきた! きたニャー!」


 獣総栄食にそんな効果が?


〈そういえばちゃんと注意書きとか読んでなかったな〉


「何コソコソやってんの〜

 飽きてきたからそろそろ終わるよ〜」


 サル達が毒を集めて大きな玉を作る。

 コレを一気に浴びたら致命傷になるかもしれない。

 冷汗をかく。

 するとそんな不安を吹き飛ばすように、タマの叫び声が森中に響き渡った。


「いくニャー! 猫爪波!」

 

 タマが両手の爪を上から下へと、腕を交差するように大きく振る。

 するとその爪の先から青白い刃のようなものが飛び出し、サル達に襲いかかった。

 咄嗟の出来事にかわすことが出来ず、刃はサル達を直撃した。


「うきょー!」


 もんどり打って地面に倒れるサル達。

 その胸には爪で切り裂かれたような跡がつき、血で真っ赤に染まっていた。


「出来た……、出来たニャ!

 猫爪波!

 やったニャー!」

 

 両手を上げて、ぴょんぴょんと飛び跳ねるタマ。

 しかし、何かおかしい。 

 タマが飛び跳ねる度、初めはぴょんぴょんと軽やかだったジャンプが、ドンドンと重たい音へと変わっていった。


「タ、タマちゃん……。

 なんかぽっちゃりしてない?」


「ニャ?」


 こちらを振り返った拍子に、タマはバランスを崩し尻もちをついた。

 「ドシーン」という音が森に轟き、その音を聞いた小鳥たちが一斉にその場から飛び立った。


読んでいただきありがとうございます。


タマが副作用で太りました。


次はトラ達が登場します。


よろしくお願いします。

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