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ネコジャRUSH!   作者: ジョン・道
第一章 転移と出会い〜フェリダエ武獣研鑽会まで
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第十四集 開催決定ニャ!


 アムの賛成を得たので、フェリダエ武獣交流会(仮)は開催に向けて本格的に動きだした。

 ちなみにアムは道場運営や実務にはほとんど携わる事は無かった。

 挑んでくるものをとにかく蹴散らす。

 これがアムの仕事のようだった。

 代わりに実務はフーとリースが中心になってこなしているらしい。


「エノ殿、あなたが想像した交流会はどのような形でしたか?」


「えーと……、一対一で闘って、勝ち残りで優勝を決める形ですかね。

 一人あたりの試合数を確保するなら、五人程の組をたくさん作って総当りにするとか……」


 他にも大会形式やアイデアをフーに伝える。

 記憶の片隅から何とか掘り起こしたものだ。

 フーは頭もかなり切れそうだから、少しのヒントできっとベストな形を見つけるだろう。


「タマちゃん!

 もっとイメージを膨らませて!」


「ニャ!」


 タマはアムに気に入られ、連日稽古をつけてもらっていた。


「こうお腹の中でジュワ~って来たものを、体中にグルグルーって回す感じよ」


 ただ、かなり感覚派のようで、傍で聞いているとお世辞にも教えるのが上手いって感じではなかった。


「ジュワ~でグルグルとニャ」


 でも、タマにはその指導が合っていたようで、日に日にタマは獣力の扱いが上手になっていった。


「ところで、タマちゃんはどうなの?

 もし交流会をやることになったら、猫爪拳の代表になれるのかしら?」


 ある日、アムにそう聞かれたタマは首を横に激しく振った。


「無理ですニャ!

 私は猫爪拳でも下っ端も下っ端。

 代表なんて到底なれっこないニャ!」


「あら、そうなの?

 まぁ確かに、タマちゃん大分良くなってきたけど、流石にクーニャンちゃんには敵わないわね」


「クーニャンさんって?」


 クーニャンとは猫爪拳の主で、その爪の鋭さで"一撃必殺のクーニャン"の異名を持っている武獣家なのだとか。

 タマにとっても憧れの存在らしい。

 アムは少し考え込む様な仕草を見せたが、すぐにいつものアムに戻った。


「まぁ、まだ時間はあるわ。

 やる前から諦めるバカはいなくってよ。

 コノヤロウ!」


「ニャ!」


 何故か顎がしゃくれているアムにタマが抱拳礼をする。

 そして二人は再び稽古に戻っていった。


〈タマは交流会に出るのは難しいのか……〉


 ■


 その後、フー達の尽力によって、交流会が開催される事になった。

 大会名は"フェリダエ武獣研鑽会"。

 いわゆるトーナメント方式で行われる事となった。

 フェリダエ中の各道場から代表者3名が一同に集まり、互いの武を競い合う。

 場所は虎皇拳の里の外、新しく会場を作るらしい。

 これは盛り上がる事間違いなしだ。


「エノ殿、ご協力ありがとうございました。

 おかげさまで"フェリダエ武獣研鑽会"、開催することが出来そうです。

 これから各道場に案内を出します」


 アムの玉座の前で、タマと並んで立っている僕に向かって、フーは抱拳礼をした。

 虎皇拳の道場にしばらく滞在し、フーの存在の大きさを改めて感じていたので恐縮してしまう。


「とんでもありません。

 僕は何もしていません。

 フーさんを初めとした虎皇拳の皆さんのお力です。

 僕らの方こそお世話になりっぱなしで、本当にありがとうございます」


 頭を下げて礼を言うと、フーは首を振り頭を上げるようにと言った。


「全てはエノ殿の一言からです。

 あの一言が我々に光をあててくれました。

 もしかしたら、あなたは神の使いかもしれませんね」


 フーの冗談のような言葉に、ドキッとしてしまう。

 でも、別に神の使いって訳ではないか……。

 神様に連れてこられたのは確かだけど。


「神の使いにしてはエノは呑気な顔をしてるニャ」


 タマの言葉に場が和む。

 呑気な顔と言われたが、今回はむしろありがたかった。


「私は好きよ〜。

 エノちゃんのお・か・お」


 アムのウインクが炸裂する。

 それによって神の使いうんぬんの話は吹き飛んだ。

 アムのウインクを受けてホッとするなんて思いもしなかった。


「ところでフーとも話し合ったんだけど……。

 エノちゃん、あなたに研鑽会の発案者として、参加者を一人推薦して欲しいの」


 突然の話にびっくりし、言葉の意味を理解するのに時間がかかってしまった。


〈発案者? 推薦?〉


「誰かいないかしら?」


 アムはそう言ってニコリと笑う。

 なるほど、僕が推薦する武獣家なんて一人しかいない。


「じゃあ、タマで」


「ニャンと!」


 タマは想像もしていなかったのか、慌てふためいている。

 明らかにタマを研鑽会に出場させるための小芝居だったのだが、タマは全然気付いていなかったみたいだ。


「いや、私はダメニャ!

 もし、猫爪拳の師兄と闘うことにでもなったりしたら……」


 タマの顔に大量の汗が浮かぶ。

 

「タ、タマ……」


「とにかく私には無理ニャーー!」


タマはそう言うと、何処かへと走り去ってしまった。


読んでいただきありがとうございます。


タマが走り去りました。

次回でその理由がわかります。


よろしくお願いします。

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