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蠢く

 

 さて秋の園遊会とレジウスに関する付随イベントが終わったわけだが、これに伴い問題が発生した。


 まずはレッドパイン伯爵家とブラックパイン男爵家、それにクローム子爵家との会合が行われる事になった。

 何故ならリーナの居場所が明らかになったからだ。


 レジウスの剣の師匠であるレッドパイン伯爵家前当主のアルダーはリーナとレジウスとの事を好意的にとらえている。

 だが、現当主としては分家出身で、悪評の多いレジウスと娘の関係に不満がある。


「なぜすぐにワシに報告に来ないのだ!」


 娘のリーナとレジウスを前にして、ブラックパイン男爵家の応接室でそう怒鳴ったレッドパイン当主。


「だって出て行けって言ったのはお父様だし、わざわざ報告する義務もないし〜」


 とソファに座ったまま、父親から顔を背けて言うリーナ。


 その光景を苦笑いで見るレナード。

 レジウスも若干の苦笑いを浮かべる。


「レジウスの悪評は知っているだろうが!」


 リーナの父親がそう言うと、


「別にレジウスが悪いわけではなかろう?」


 と、リーナの祖父が口を挟む。


「父上! レジウスが今までどれだけ問題を起こしたか知っているでしょうが!」


「ほぼ相手が悪い。レジウスに喧嘩売るからだろう?」


「報復の仕方が貴族らしくないと言っているのです!」


 そこに、


「だって貴族になる気なかったし」


 リーナの口調を真似して話すレジウス。


「貴様は貴族の長男だろうが!」


 とレジウスに言うが、


「早々に継承放棄したし」


 と、まだリーナの口調で茶化すレジウス。


「う、だが今は貴族だろうが!」


「陛下のお言葉じゃなきゃ断ってた。なんなら返上しましょうか? 総本家がうるさいから返しますって言ってきますよ?」


「そんな事陛下に言えばウチが処分されるだろうが!」


「知らんし」


 と言うレジウスだったが、そんな会合が行われている時、別の場所では、


「あの女、馬鹿にした表情でチラッと私を見やがった! 許せん!」


 と、元妻(籍を入れただけで実質夫婦関係無し)に敵意剥き出しのマザコン。

 離婚後、自国の貴族や、サンライト皇国の貴族にマザコンだとか、式の前に妻に逃げられた甲斐性なしだとか、散々馬鹿にされていた。

 秋の園遊会には、ウエストサンライト帝国に所属している上級貴族なのだから当然来ていたので、レジウスの件のイベントにも顔をだしていた。

 影が薄いのでリーナもレジウスも気が付いていなかったのだが、被害妄想とはこんなもんである。


 そしてまた別の場所では、


「せっかく無能を上手く誘導して金山を取り上げようとしてたのに、貴方が帝に差し出してしまうから私が贅沢出来なくなってしまったではありませんか!」


 と喚く女。


「お前があんな無能を伯爵にしろと言ったからだろう! しかもアクセサリーの件でもくぎをさされたのだぞ! もう買うのを控えろ!」


 と言い返した男。


 ラーナ国の国王とその妃である。


「なぜ王妃の私が他国の王の命令などを!」


 王妃は、サンライト皇国とラーナ国との関係性を理解出来ているのかと、甚だ疑問がわく言葉を吐いた。


 流石にその言葉を聞いて、


「他国の王ではない! 我が国が所属するウエストサンライト帝国の帝なのだぞ! サンライト皇国に逆らえば我が国など簡単に潰されるのだぞ! それがわからんのか! もういい! 国に帰ったら当分お前は宮殿から出る事を禁止する! 買い物も許さん! 反省しろ!」


 そう言って部屋を出て行くラーナ国王。

 後に残された妃は、


「サンライト皇国など……潰れてしまえばいいのに……」


 と小さな声で呟いた。


 何がどう絡まったのかはさておき、事態は悪い方に進んでいくのだが、レジウスはそれをまだ知らない。

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― 新着の感想 ―
[一言] はてさて、永禄の変のような暗殺事件か、はたまた応仁の乱のような大乱か、いずれにしてもクーデターが起きそうな気配ですが、レジウスには非正規戦で活躍してもらいたいですね。今後が楽しみです。
[良い点] うわぁ、こんな小物達によって動乱が起きるのねぇ。 得てしてそういうものだったり。
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