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詰所にカチコミ



「オラァァ! 盗賊兵士共がぁ!」


 兵士の詰所が見えた途端、タッカーが大声で叫んだ。


「ああ?」


 遠くの声に一人の兵士が街道に目を向けると、


「腹痛の仕返しだーよ!」


 デイルも大声叫んだ。

 それを聞き事態を把握したミフシの兵士。


「コイツらあの下剤飲んだのか? 何故バレた? 今日は隊長の班だったはず! 失敗るはずがねぇのに!」


 と、思わず言わなくていいことまで言ってしまった兵士。


「あのオッサンが隊長かよ! ぶっ殺したわ!」


 レジウスがそう叫びながらザックと共に突っ込んで行く。


「敵襲! 小遣い稼ぎがバレたぞ! この冒険者共を殺せ! 報告されると縛り首になるぞ!」


 周りの兵士達に、レジウス達の存在を示した兵士。


「ザック蹴散らすぞ!」


 レジウスがそう言ってザックの背中をポンと叩く。


 ギャッ!!


 と、短く鳴いてさらにスピードを上げたザックが、一番前にいた兵士の腹に噛み付いた。

 ぼたぼたと流れ落ちる兵士の血液。

 どう見ても助からないだろう。


 タッカーがそれを見て、


「レジウス! あまり殺すなよ。コイツら鉱山送りにすれば儲かる!」


 と諭すと、


「めんどくせぇ」


 レジウスがそう言ってザックの手綱を引いて、ザックが暴れないように誘導する。


「死にたくないやつは手を上げるだーよ!」


 そう言ってデイルが熊の背から槍を振り回す。


「私は加担してないんだ」


「オレも」


「テメェら裏切るのか」


「そもそも仲間じゃない」


 などと兵士の中から声がするのだが、


「見逃してた時点で同罪だ」


 レジウスがそう言って冷たい眼差しを向けつつ、剣を抜いた。

 暴れるデイルに、逃げる兵士の足止めをするタッカー。

 さすがに全員を生かして捕らえるのは無理だったが、半数を生捕りにして、戦闘は終了したのだった。


「さて、生きてるのは全部縛って連れていくぞ」


 レジウス達は縄で手を縛って繋いだ兵士を引き連れつつ、街道を歩く。王都に向かって。


 だが、兵士を縛って歩けば当然目立つわけで、街道の要所には無関係なミフシの兵士も立ってる。

 当然連絡に走る兵士も居るわけで。


 兵士の連絡で飛んできたイーリス子爵に、


「よう久しぶり」


 と、レジウスが小馬鹿にした表情で言うと、


「レジウス……」


「オタクの領兵共、街道で盗賊の真似事してたが、アンタの指示か?」


 と素直に聞いてみたレジウスに、


「何?」


 と驚くイーリス子爵。


「茶屋で毒飲ませて襲ってきたぞ」


「知らん! 証拠でもあるのか!」


「証人なら居るし、俺たちは被害者だし本人達もゲロったが?」


「何をしてくれたんだ戯けどもが! と、とりあえず領兵を渡してもらえんか? こちらで裁きたいのだが」


「これは異なことを。領兵の犯罪も街道の犯罪も国の管轄でしょうに。だからこそ、街道に出没する盗賊の討伐依頼が冒険者に出されたんだ。貴族の横槍が入らぬために」


「だ、だが、国に報告されると私の監督責任を問われる」


「当然でしょう。領兵を監督するのは領主の仕事なんだし」


「そうすると国に罰金を払わねばならなくなるから、お前への支払いが滞る」


 と、レジウスに被害が出るという言い回しで、この場を乗り切ろうとしたイーリス子爵だったのだが、


「関係ありませんねぇ」


「関係あるだろう? 金が欲しいから冒険者をやっているのだろ?」


「違いますよ。私は自由でいたいから冒険者なんで。それに払って貰えない分は何か差し押さえますし、あとこの犯罪者達が有罪になれば、犯罪奴隷で鉱山送りでしょうから、そっちからも金貰えるし」


 と、多少の損など気にしない構えのレジウス。


「おい! そっちのエルフとドワーフの冒険者! レジウスを説得すれば一人金貨1枚だすぞ! 説得しろ!」


 レジウスからタッカーとデイルに矛先を変えたイーリス子爵だったが、


「オラはやだ」


「俺も遠慮します〜」


 と、断られる。


「なぜだ!」


「レジウスの方が正論だし」


「んだ!」


「金貨2枚出す!」


「何枚積まれても一緒だで」


「んじゃそういうことで!」


 レジウスがそう言って街道を進もうとしたのだが、


「このまま行かせると思うか?」


 イーリス子爵はそう言って、周りにいる兵士達に攻撃できるように準備させた。


「へぇ。今度は脅しですか?」


「行かせれば処罰されるのは私だ。行かせるわけがないだろう? コイツらを捕らえろ!」


「タッカー! デイル! 殺さない程度にやっちまえ!」


「おう!」


「はいな!」


 そうして戦闘に突入するのだった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 水戸黄門もケツを捲って逃げ出すような展開wで、とても痛快で面白いです。こりゃイーリス子爵は死罪&御家断絶ルートに突入ですねw
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