第92話「合宿後の寝床にて」
茨城合宿編のエピローグとなる今回は、合宿を終え家に帰った後の良哉のお話です。
茨城合宿編に、もうしばらくお付き合いください。
片桐「―皆さん、お疲れ様でした!」
部員一同「ありがとうございました!」
こうして、2泊3日に渡る茨城合宿が終わった。みんな品川からそれぞれの家に帰る。
紘深「じゃあ、また月曜日ね!」
兎愛「はい!」
幸太郎「じゃあな北条!」
横浜住みの北条さんと別れ、俺を含めた残りの3人で上野東京ラインに乗って帰る俺たち。
紘深「それでね兎愛ちゃんがねー―」
上野東京ラインに乗っている間、俺たちは3人で合宿でのことをいろいろ喋っていた。それから20分くらい経って、家の最寄り駅に着いた。
良哉「じゃあな。」
幸太郎「ああ。」
紘深「また月曜日ね。」
最寄り駅に着いた俺たちはそのまま家に帰る。黒藤さんについてはおじさんおばさんが迎えに来ていたから、今回は黒藤さんとも別々に帰る。
(玄関のドアを開ける音)
「ふぅ…」
家に着いた俺。かなりの安心感がある。
(さてと…)
手洗いうがいを済ませた後は、合宿に持って行ったものを片付ける。着ていた服、風呂・歯磨きセット、後買ったお土産…
(服を洗濯機に入れる音)
片付けが終わった後は風呂掃除をし、風呂を沸かした後風呂に入り、旅の疲れを癒す。
(ふぅ~…)
なんだかんだで風呂に入れたのはもうすぐ11時というタイミングだった。
風呂から出た後は、いつものように深夜ラジオを聴く。
そして番組が終わった深夜3時。
(んじゃそろそろ寝るか…)
俺はベッドに入る。
すると…
(LINEの通知音)
こんな時間にLINEが。一体誰からなのだろうか。
(誰だ一体…)
そのメッセージの送り主は藤堂だった。
「こんな時間にごめんな。俺の写真ちょっと見て欲しくて。」
俺はそのメッセージに返信する。
「ああ別にいいけど… 俺明日バイトないから余裕あるし。」
その直後に藤堂から返信が来た。
「よっしゃ!」
その後、藤堂は撮った写真を4枚次々に送ってきた。4枚送ってきたところで、
「今はここまでだな。」
というメッセージを送ってきた。
俺はそれを合図に、
「じゃあ次は俺。」
というメッセージに続けて、俺も合宿で撮った写真を5枚送った。
幸太郎「お互いよく撮れてるな。」
良哉「我ながらそう思うよ。俺も。」
すると、藤堂がこんなメッセージを送ってきた。
「そうだ。お前に見て欲しい写真があったんだった。」
俺はそのメッセージを疑問に思った。わざわざどうしたのだろうか。
と思っていると…
(LINEのメッセージ音)
藤堂が送ってきた1枚の写真、
「!?」
それは、ひたち海浜公園の大砂丘の近くのベンチで、俺と黒藤さんが海の音を聞いて寛いでいた時の様子を後ろから撮った写真だった。
(マジかよ藤堂いつの間に…)
と思っていると、藤堂はさらにメッセージをよこしてくる。
「ねえ、これどういうことなんだ?」
(どういうことも何も…)
と思いながら、俺は必死に自分を落ち着かせながらそれに返事をする。
「いや普通に黒藤さんと海の音聞いてただけだからこれ!」
すると藤堂はこんな返事をよこしてきた。
幸太郎「どんな話してた?」
良哉「いや別に特に何も話してないよ…」
幸太郎「本当にかぁ?」
良哉「本当だよ本当。」
良哉「しゃべってたら海の音聞けないじゃん。」
幸太郎「手は繋いでた?」
良哉「繋いでるわけないじゃん…」
幸太郎「本当か~?」
良哉「いや本当だって。」
(藤堂が勝手に盗撮した)1枚の写真を巡る俺と藤堂の応酬は、その後もしばらく続いた。
応酬が一段落ついたのは、藤堂がその写真を送った5分後のことだった。メッセージを送りあった俺たち。はっきり言って疲れている。
良哉「てかお前さぁ…」
幸太郎「どうした?」
良哉「勝手に人の写真を撮るもんじゃねえよ…」
幸太郎「ごめんごめん。」
幸太郎「ベンチに座ってる2人がいい感じだったからさ。」
良哉「まあいい感じに見えたのは俺も認めるよ…」
幸太郎「そこ認めるんだw」
良哉「今更否定できねえだろ!」
良哉「とにかく」
良哉「この写真誰にも見せんなよ!」
幸太郎「分かったよはいはい。」
良哉「じゃあおやすみ。」
幸太郎「ああ。お休み。」
こうして、俺と藤堂のLINE会話が終わった。俺は眠りにつこうとする。
しかしこっそり撮られていた写真を見せられた動揺とブルーライトの見過ぎからか、旅の疲れが出ているというのに俺は全く寝付けなかった。
(もう4時か…)
俺がやっと眠りにつけたのは、朝5時近くだった気がする。
そして翌朝…
(なんだもうこんな時間か…)
俺が起きたのは、昼の11時ごろだった。
朝飯… というかちょっと早めの昼飯を食べる俺。俺は
(藤堂のやつ本当に何してくるか分からん奴だな…)
と思っていた。
(まあ、気にしてもしょうがないか。俺と藤堂の仲なんだし。)
そう思った俺は、昼飯を食べ終えると、旅の疲れがまだ完全には抜け切ってはいない中で実家に合宿のお土産を送るべく、近くの郵便局に行くのだった。
実は幸太郎は、良哉がいつも聴いているラジオ番組が終わる夜中の3時に合わせて一旦起きてまでわざわざメッセージを送ったんです。
では茨城合宿編、これにて完結!
次回からは「2年生・春休み編 Part2」が始まります!




