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上京男子と地方局マニアの女子  作者: 白石あみの
〜1年生編 Part2〜
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第40話「新しいスマホ」

3月も迫ったある金曜日、学食で食事をする良哉と幸太郎。


幸太郎は良哉に明日スマホを機種変することを話すのですが、目星をつけているスマホはちょっと変わった機能があるようで…


【おことわり】

この話に、特定の商品を宣伝する意図はありません。

「俺実は明日スマホ機種変することになっててねー。」

ゼミ関係の用事で大学に行った2月下旬のある金曜日の学食での食事中。こう話すのは藤堂だ。


「どのくらい使ってるの?俺のは大学進学を機に新しく機種変したから、まだ1年も経ってないんだけど…」

「俺の?3年半くらいだよ。」

「3年半か… 確か父さん言ってたよ。スマホは4年持てば大した方だったって。」

「そうか… じゃあ今まさに変えておいた方がいいってところだったのか…」


藤堂がそう言うと、俺はこう続けた。

「なんか興味あるやつとかあるの?」

「ああ。」


藤堂は俺の問いに対して、こんなことを言ってきた。

「うん。なんか『ラジオの受信機能もついてる』とかいうやつ。」

「ラジオの受信機能もあるやつ?そんなのあんの?」

「ああ。前に見たことがあって…」


ラジオの受信機能があるスマホ。俺が小学生くらいの頃のガラケーにはそういうのがあったような記憶が微かにあるが、スマホでもそんなのがあるのだろうか。俺はそう思って、念押しとも言わんばかりにその場でスマホを出して調べた。


「ラジオ 受信 スマホ」で検索。

探してみたら確かにあった。災害時に停電が起きたりWi-Fiが繋がりづらくなった時でも情報収集ができるようにするのが目的とも書いてある。


俺はその画面を藤堂に見せた。

「これ?」

「そうまさにそれ!実は俺、ある時なんとなくネットで調べたらこのスマホを見つけて興味が出てきてね。」

「それって… ワンチャン黒藤さんの影響だったりする?」

「まあそれも少しばかりあるね(汗)」

「そうか…(苦笑)」

俺は何とも言えなかった。


「なんだったら今日この後見に行く?(家の最寄りの)駅前のケータイショップにも置いてあるからさ。お前今日バイト夜からでしょ?」

「うん。じゃあそうする。」


もともと食事を終えたら帰ることになっていた俺たち。俺もその藤堂が欲しがっているスマホの実物を見てみることにした。


食事を終えて大学を出て、電車に乗りいつもの家の最寄駅へ。

俺たちはその駅のすぐ近くにあるケータイショップに入った。家の最寄り駅だから見慣れてはいるが、入るのは初めてだ。

その店は奥行きがとても広く、この辺では品揃えが豊富でしかも店員さんの態度やサービスが良いということで、評判が高いそうだ。(さっき電車の中で調べた)


「いらっしゃいませ。今日はどんなご用で?」

俺たちよりもちょっと年上くらいの男の店員さんが、俺たちに話しかけてきた。


「ああはい。ちょっと機種変で考えているやつの下見で。」

「分かりました。機種名は分かりますか?」

「はい。」


と言って藤堂は、店員さんにその「ラジオの受信機能もついてる」スマホの機種名を伝えた。


「分かりました。それでしたらA○dr○idのコーナーになりますね。ご案内します。」

店員さんは俺たちを店の真ん中の方の棚の、アクセサリーコーナーとの境界あたりのところに案内した。


「こちらです。」

商品棚にはスマホの見本が並んでいる。

「これだよこれ。」

藤堂はスマホの見本を手に取って言った。


「すいません。これ試せるやつありますか?このコーナーで試せるやつ、みんなこれじゃなくて…」

「分かりました。お持ちします。」


店員さんは一旦店の奥に引っ込むと、1分ほどが経った後にさっき藤堂が手に取ったのと同じデザインのスマホを持ってきた。

(店員さんによるとこの店では店頭で試せるもの以外にも、取り扱っている商品の試せるやつが常に店の奥にストックしてあるという。)


藤堂が店員さんからそれを受け取ると、画面を立ち上げる。


容量は128GBと大容量なそのスマホ。カメラも画素数が良いと藤堂は喜んでいた。

「はい、チーズ。」

「おいちょちょちょ…」

藤堂に急に写真を撮られた。


「お前それ後々他の人もお試しで使うやつだからちゃんと消しとけよ…」


次は藤堂の1番試したいものであるラジオの機能だ。

「これか。」

藤堂はいつも使っているイヤホンをそのスマホのイヤホンジャックに差し込み、そのラジオが聴けるアプリを立ち上げた。


「どう?」

「いいよこれ。お前も聞いてみろよ。」

「そう?じゃあ。」


俺は藤堂から渡されたイヤホンの左を左耳に入れた。

思えば時刻はもうすぐ2時だ。

「確か普通の電波なんだから、時報も流れるわけだよな…」と俺は思っていると…


「2時をお知らせします。」

というアナウンスの後…


流れたのは時報だった。


「うん。やっぱりこれは凄い。」

「すげぇ…便利なもんがあるんだな… 確かかんたんスマホ以外で対応してるのってこれだけなんですよね?」

「はい。ちなみに失礼ですが、どういった理由でこのスマホをご希望なんですか?」


店員さんは藤堂に聞いた。

「はい。俺自身車の免許持っててカーラジオでよくラジオは聞いてるんですが、ある時このスマホを見つけてその時に興味を持ちまして…」

「そうなんですか。実はこの店でもそれをお求めになられた方はいらっしゃtたんですが、防災対策という方がほとんどでして。」


ということだった。

話を聞いた後、俺たちは店を後にした。



次の日の夕方、バイトの帰り道。

(LINEの通知音)

「ん?」

幸太郎のLINE「機種変完了ー!」

「データの引き継ぎも店員さんがやってくれたんだ。」


藤堂は機種変を済ませたようだ。



そして週が明けて月曜日。写真部の部室。

「じゃーん。」

藤堂は得意げな表情で新しいスマホを見せてきた。色は臙脂(えんじ)色だ。


「ワイドFMもあるから、電波受信モードでもラジオはほぼコンプってところだな。」

と藤堂は言っていた。


「斎藤君。藤堂君。」

「おっ。」

するとそこへ黒藤さんがやってきた。


「よお。」

「藤堂君このスマホ。新しくしたの?」

「ああ。おととい機種変してね。FMの電波も受信できるやつなんだ。」

「そうなの?お父さんのスマホもこれなんだよ。なんでもお父さん、私がいろんなラジオ聴くのに影響されて、去年FM電波でラジオも聴けるスマホにしたんだって。」


黒藤さんは言った。

俺は

「そうなんだ…」

と言ったが、頭の中では

「マジかよおじさんもだったのかよ。」

と思っていた。


〜回想・金曜日、学食〜

「それって… ワンチャン黒藤さんの影響だったりする?」

「まあそれも少しばかりあるね(汗)」

〜回想終わり〜


と金曜日に言っていた藤堂。

黒藤さんに影響されてFM電波も受信できるスマホに変えた人は、藤堂だけではなかったからだ。

その「FM電波が受信できるスマホ」も私は知っているのですが、それができるアプリはiPhoneにはあいにく対応しておらず、高校入学からiPhone一筋(ちな今持ってるのが3代目)の私からしたら、iPhoneへの対応をひたすら待つしかない状況です…


機種変しようにもやり方の変化やiTunesとの同期や互換性もいろいろ不安で…

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