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第3話「ウチの同期がすみません!」

良哉と紘深の出会いから2日。

部活という場で良哉は新たな出会いをすることになるのですが、その人はなんと紘深の…


すなわち、新キャラ登場回!

衝撃とも言える黒藤さんとの出会いから2日が過ぎた。

俺は今、自分が入っている大学の写真部の部室にいる。

だからといって今日が部の定期的な集まりの日というわけではない。写真部に限らずこの大学の文化系の部活は、文化祭の準備や合宿など部全体の重要なイベントの時以外、部員全員で集まることは全くと言っていいほどない。写真部の場合は、自分が撮ってきた写真を部員同士で見せ合いながらいろいろしゃべるだけというだけだ。みんな時間がある程度過ぎれば、夜の授業やらバイトやらでみんな帰ってしまう。俺も今日はここ写真部の部室で、俺を含めた1年生の部員3人で撮ってきた写真を見せ合いながら雑談をしているところだ。


ゼミが始まった直後ということもあって、雑談の内容はゼミの話題でもちきりだ。まあ一口にゼミの話題といっても「めっちゃかわいい女子がいた」とか、「課題がキツイ」とか、「先生の都合で来週早速休講」とか、そんなことくらいだが。


「かわいい女子といえばさ、井伊のゼミにめっちゃかわいい女子がいるって噂聞いたんだけど、斎藤たしかお前そこだったよな。」


1年生の部員の今川が、突然俺に話を振ってきた。

「かわいい女子…特徴は?」

「ミディアムくらいの髪形で胸もそこそこなやつ!斎藤のとこにいるだろ?」

黒藤さんのことが頭をよぎる。俺と同じゼミにいる、ミディアムくらいの髪形で、バストもそこそこな女子。もはや彼女しかいない。


「あ、ああ…。」

俺は戸惑った。黒藤さんが可愛いことは分かっていたが、まさか噂になるくらいの人であるとは。俺は動揺を隠せなかった。

「噂になるくらいだとは思わなかったなぁ。」

「それがマジなんだよ~!」


黒藤さんの話題で盛り上がる部室内。話が盛り上がりを増していく中で黙ってばかりでは、空気を読めていないように思えてしまう。俺はそう思っていた。

そこで俺は意を決して、2日前の彼女と話したことを話題を上げる事を決意した。

「実はさ俺、その女子に話しかけられたんだよ…」

「マジかよ!?斎藤マジすげえじゃん!」


今川はびっくりした。写真部きっての女好きな彼のことだ。無理もない。

「それがそいつ、なんか『地方のテレビが好き』とか言っててね…」

俺は2日前に黒藤さんと話をしたことを今川たちに話した。テレビは日中ほぼ通販ばっかりなこと、スポーツ中継で急に番組が変わることもあったこと、急にノンストップで岐阜県内各地の風景の映像が流れたこと…


「絶世の美女は地方のテレビが好きというかなりレアな趣味を持つ… くぅー!」

「落ち着けって…(汗)」

「…ってかそうかお前たしか岐阜出身だったよな。それで地方のテレビ好きな女子に巡り合うとかうらやましいよ。」

「そ、そうか…」

「うあー俺も地方に生まれればよかったー!」


さすがの俺も今川には苦笑いしかできなかった。

しばらくして今川ともう一人の男子部員はバイトのために部室を後にする。


暇になった俺。俺も部室を出ようとした。すると…


「あ、ねえ。」

誰かに呼び止められた。

「斎藤…ちょっといい…?」

彼は藤堂(とうどう)幸太郎(こうたろう)。俺と同じ写真部の1年生だ。でも彼は部室のパソコンで写真の編集をいつもやっている。実際さっき俺が今川たちと話していた間もずっと写真の編集ばかりやっていた。そんな藤堂が俺に話しかけてくるなんて、珍しいにも程がある。

「斎藤…ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」

「藤堂?どうしたんだよお前からわざわざ珍しい?」

「それが…」


藤堂は悩みながらみたいな感じで口を開いた。

「まさか、『お前と同じゼミにいる、地方のテレビが好きな女子』って…黒藤のこと?黒藤紘深。」


藤堂はいきなり黒藤さんのことを聞いてきた。

「そ、そうだけど…」

「実は… なんか、ごめんっ!」


藤堂はいきなり謝ってきた。それよりも俺はなぜ藤堂が黒藤さんを知っているのかと、藤堂と黒藤さんは一体どういう関係なのかが気になっていた。

「ああ別に迷惑には感じてないからお前がわざわざ謝らなくていいんだけど、お前と黒藤さんってどういう関係?」


藤堂はこう答えた。

「そいつ、俺の中学の頃からの同級生で…」


俺はびっくりした。

「藤堂…ちょおま…黒藤さんの同級生!?」

「ああ…」


藤堂はなんと黒藤さんの中学の頃からの同級生だった。クラスが同じだったことも何度かあったという。

そんな藤堂は、黒藤さんの過去を話し始めた。

「まあいくら『地方のテレビが好き』だからってことで、いじめられたりからかわれたりしていたわけじゃないんだけど…」

-今回初登場の登場人物-

藤堂幸太郎

良哉・紘深と同じ大学に通うが、ゼミも学部も全く別。実は紘深の中学時代からの同級生。良哉とは同じ写真部員同士の間柄ではあるものの今まであまり話したことはなかった。しかしある日部員同士での良哉の紘深に関する話を小耳にはさんだことに機に、良哉と接触する。

好きな食べ物は学食の醤油ラーメン。

趣味はロック音楽鑑賞(洋邦問わず)・ドライブ

誕生日は7月3日。

家族構成は父・母・妹。


今川

良哉と同じ写真部の1年生。写真部きっての女好きで、入学から半年も経っていないにも関わらず大学の女子にまつわる様々な情報に詳しい。特技はナンパだが、結果はイマイチ。紘深や幸太郎同様、東京生まれの東京育ち。


井伊

良哉と紘深が所属するゼミの教授。専攻は戦国時代。

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