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第109話「早朝にLINE!?」

(LINEの着信音)

「ん~?」


7月も近づくある日のこと、まだ朝の5時だというのに俺のスマホにLINEの通話がかかってきた。


(こんな朝早くに誰だ?)

と思った俺。スマホをつけると…


「北条さん」


その相手は北条さんだった。


(こんな朝早くにどうして…)

と思いながら、俺はLINE通話に出る。


「北条さんおはよう。俺だけど。」

「おはようございます。北条です。斎藤さん、ちょっと聞きたいことがあるんですが。」

「いいけど…どうしたのこんな朝早くに?」

「はい。」


北条さんはこう続ける。


「昨日の紘深さんのYouTubeの動画見ました?」

「ああ見た見た。あの栃木のラジオ局についての話でしょ?」

「はい!」

俺はしばらく北条さんと。黒藤さんが昨日YouTubeに上げた栃木のAMラジオ局について語った動画に関する話をした。

そういえば黒藤さんで栃木といえば、この夏俺は黒藤さんと栃木の花火大会に行くという約束をしている。栃木といってもどこのかは決めていないが。


「そうだ斎藤さん。」

「なに?」

「斎藤さん、紘深さんと栃木の花火大会行くって本当ですか?」

「!?あ、ああ…そうだけど…」


北条さんは突然、俺が思っていた黒藤さんと栃木の花火大会に行くという話を振ってきた。

「…それ、どこで知った?」

「紘深さんが教えてくれたんです。」

「そうなんだ黒藤さんが…」

突然のことに、俺は言葉に窮した。


「どうしたんですか斎藤さん?」

「いや、黒藤さんで栃木ってことで、俺もそのこと考えてたからさ…」

「そうだったんですか?楽しみですか?花火大会。」

「ああ。だって花火大会なんて上京してから行ってなかったからさ。岐阜いた頃は長良川の花火大会に毎年行ってたんだけど…」

「そうなんですか。」

「まさか上京後初の花火大会が黒藤さんと一緒だなんて思わなかったよ。」

「まあこれも青春ってものですね。斎藤さん。(笑)」

「分かったようなことを言ってんじゃないよ。」


「そうだ。北条さんはどこか友達とかという用事あったりするの?今聞くのもあれかもしれないけど。」

「ああ… まだはっきりとは決まってないんですが、紘深さんと一つ用事があって。」

「ま、それマジで?」


北条さんも黒藤さんと夏休みどこか遊びに行く用事があるという事を知り、俺は少し動揺に似たものを感じていた。


「はい。」

「北条さんだから、やっぱり横浜…ていうか神奈川?」

「そうですね~。海に遊びに行こうかなって話が出ています。」

「海かー。俺のいた岐阜は内陸県だったからなあ… わざわざ三重の千鳥ケ浜海水浴場ってところまで行ってたなあ… 神奈川といってもどこ?」

「平塚や大磯あたりを考えています。」

「まあ神奈川で海水浴なら大体その辺だよね。」

「そうですねー。」

北条さんはさらにこう続ける。

「そうだ。紘深さん、今年の夏はやることいっぱいあるからバイト頑張ろうって言ってました。」

「やっぱり?(笑)」

「はい!『兎愛ちゃんや斎藤君といろんなところ行きたいし部活の合宿もあるだろうから、お金稼いでおかなきゃ』って。」

「そうなんだ(笑)」

「授業ない日はほぼ毎日バイト行ってて、店長さんから『テスト近くなった時大丈夫か?』って心配もされちゃったって言ってましたよ。」

「マジかよ(笑)」


~その時~

紘深のバイト先の店長「ねえ黒藤さん。こう仕事熱心なのはいいんだけど、テスト近くなった時それで大丈夫か?」

紘深「あ、ああ…(苦笑)」

店長「テスト期間教えてね。その直後シフト調整するから。」

~終わり~


俺はふと思った。静岡に旅行に行った時、黒藤さんと一緒に三保松原の海を見たなあと。

「それにしてもいいね海とか。俺もさ、ゴールデンウィークに黒藤さんと静岡に行った時に三保松原で海を見たんだよ。」

「三保松原ってあの世界遺産の!?どうでした!?」

「ああ。とても綺麗だったよ。」

「いいな~私も行きたいです!」


しばらく海に行きたい話が続いた。かつては家族の仕事の関係で各地を転々としていた北条さん。海水浴場の近くに住んでいた時期もあったようで、その頃は夏はよくその海水浴場に遊びに行っていたという。


その海の話が一段落した頃…


「まさか斎藤さん、海について話している間…」

「ん?いきなりどうした?」

北条さんはいきなり話題を変えてきた。その続きは…


「紘深さんの水着姿連想しちゃってました?」

「いいやそんなわけないだろ…」

北条さんは突然俺のことをイジってきた。それも「黒藤さんの水着」という話題で。俺が焦らないわけがない。


「黒藤さんのネタでふざけるのも大概にしてよ…」

「えへへ…(笑)」

「そろそろ切っていい?」

「はい。じゃあまた後ほど。」

俺はLINEを通話を切った。


(それはそうと… 黒藤さんと海…か…)

北条さんとの話している中で、俺の中で「黒藤さんと海に行きたい」という気持ちが芽生えた。


(まだ5時15分か… もう1回寝よ。)

静岡に旅行した時に三保松原を見たのを思い出しながら、俺はまた眠りにつくのだった。

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