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本業:妖怪退治の昼休み

作者: 稲生 スイ

なろうラジオ大賞応募のために書いた作品です。

たまたまこの作品を見かけた方にも楽しんでいただけたら嬉しいです。

 僕が通ってる学校にある、七不思議の怪談。そのうちの一つに『夕方の校庭に現れる人魂』っていうのがある。その怪談が最近、クラスで話題になってるんだ。なぜかというと、一つ上の学年の生徒がそれを見たらしいから。

 日が経つにつれて人魂の目撃者は増えていった。友達には言ってなかったけど、実は僕もそれの目撃者の一人だった。


「お前が田竹たたけすぐるか」

「うわぁっ!」

 突然背後から声をかけたのは、噂の怪しい先輩、あかつき市成いちなりだった。少し着崩した夏服に黒いカーディガンを羽織って、睨みつけるようにこちらを見ている。

「は、はい!そうですけど……なにか……?」

「来い。お前に用がある」

 先輩は簡潔にそう言うと、スタスタ歩き始めた。突然なんなんだこの人は……。でも、先輩に来いって言われたら断れないよなぁ……。


「一昨日の放課後に、校庭で人魂を見たってな」

「ええ……まあ……」

「一番最初に目撃されたのはいつだ」

「えーっと、一週間前ですかね?」

「俺は二週間前に見た。そんではらった」

「えぇ!?」

 祓ったって、お祓いしたってことか!?

「じゃ、じゃあ……ここ一週間の人魂って……」

「お前の仕業だろ」

 何言ってるんだこの人!

「二週間前、俺が本物の人魂を祓っていた場面にお前は居合わせた。どうせヤマもオチも無い人間の生活に飽きて、この人魂を利用した悪戯でも思いついたんだろ」

「な、なんですか。『人間の生活に飽きた』って、人を化物みたいに……」

「お前が化物だっつってんだよ。こんな事する化物は狸か狐かだ。そんでテメェの苗字は『タタケ』!あんま知られてねぇけど、これ狸の別名だろ!」

「な、なんで知って……あっ」

「フンッ。あっさり尻尾を出したな。さあ、大人しくお縄につけ」

 先輩は何処からか縄を取り出して言った。

「逃げるんじゃねえぞ」


「なんで僕が化けた日以外に人魂が現れたんですか」

「それは協力者のお狐様の仕業だ」

「なんだ、本物の人魂が復活したんだと思って、意気揚々とイタズラしてたのに……。ていうか早く逃がしてくださいよぉ……。僕もうイタズラしないって約束しますよぉ」

「じゃあここにサインしろ」

「え、サイン?まあ逃がしてくれるなら……」

 先輩が怪しく笑いだした……。

「これで、晴れてお前は俺の使役獣だ!どこに行っても良いが俺の命令には背くなよ!」

「えっ、このサインって……」

「言っただろ。逃げるんじゃねえぞってな」

「えぇー!!」

閲覧ありがとうございました!

登場人物たちの設定は以前から練っていたので、また機会があれば続編みたいなものを書きたいと思ってます。

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