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転生だって楽じゃない!  作者: ムニエル
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女神、降り立ちます(旅が始まります)

遅くなった割に中身が大したことないのが悲しい。

ここまで来たら不定期更新を楽しんでいただくしか。

フローを探すべくウィニスタに降りる決意を固めたノーティリウス一行だが、管理世界に行くためには色々必要なものがある。

まず、女神といえど好き勝手に管理世界を行き来出来るわけでなく当然転生者同様に許可を得ねばならない。

とはいえノーティリウスは転換天の総括、許可自体は簡単に取得できる。

問題は権能である。ノーティリウス、アクアは女神でヴェルヌも天使であるため、管理世界に降りる際に担保として一時的に権能を返還する義務がある。

つまり該当世界に身体が馴染むように力に制限をかける必要があるということだ。

「ノーティリウス様、結局申請は受理されたんですか?」

「ええ、なんとか通したわ…。権能も少しばかり残してもらえたわ。まったく頭が固いんだから…」

転換天で最も地位が高いとは言え、世界管理課はノーティリウスの直属ではなく大いなる神々の支配下であるため、どんな存在であろうとも基本的に例外は許されない。

「失踪したフローの捜索のためとはいえ、管理世界に渡るなら仕方のないことね」

「でも、お役所仕事は好きじゃない…」

「立場の強いものほどルールは守るべきよ、下々のための規範となる必要があるもの」

「それはわかる。でも納得はできない」

どうやらアクアは少々ご立腹のようだ。事情を鑑みずに一律に規則を押し付けられるのが気に入らないのだろう。ノーティリウスはそれを理解した上でアクアを諭す。

(まあ、フローは何か手を回して特例を作ってたみたいだけど)

ノーティリウスは会話の裏で思考を巡らせる。フローが何らかの手段で力を保ったまま管理世界に降りたのは間違いない。

とはいえ今それを考えるのは無駄と言える。なんにせよフローを探さなければいけない事には変わりがないのだ。

「さ、手続きも済んだことだしちゃっちゃと見つけて帰って来るわよ」

「そうですね…、そうしましょう」

「ん、頑張る」

どうやらそれぞれ覚悟を決めたようだ。

「二人とも、準備はいいかしら?フローを見つけるまでは戻って来れないからそのつもりでよろしく」

「元よりそのつもりです。フロー様には一刻も早く戻っていただかないと業務が滞るばかりですから」

「二人がサボってるのに、私だけ働くのは不公平」

「じゃ、さっさとゲートに向かうわよ」

アクアの自身のボイコットを棚に上げた発言をノーティリウスはスルーした。

思うところがないわけではなかったがアクアは結果として仕事に復帰しているわけだから、と納得したようだ。ヴェルヌはそんな二人を見て結局ノーティリウスはアクアには甘いんだなぁ、と改めて思ったのだった。

管理世界に降りるゲートに到着した一行。

するといささか緊張した面持ちのヴェルヌが口を開く。

「そういえば、私は管理世界に渡るのは初めてなんですがお二人は?」

「私も初めてよ。なにせずっと管理職やらされてるんだもの」

「何回かある…。一応自分の管理世界も持ってるしたまには顔を出さないと行けなくて…面倒なのに」

「アクアの世界は平穏そのものだそうね、管理が楽で良いって人気の世界よね。ヴェルヌも以前あそこの担当だったことあったわよね?」

「ええ、担当といっても総括部門なので結局一度も降りたことはありませんでしたけどみんな楽しそうに仕事してました」

「さて、じゃあ行きましょうか」

「はい」「うん」

なんだかんだ言いながらも3人はちょっとした旅行に出かける程度の気分でゲートをくぐる。

光の道が伸びている先に目的のウィニスタに続く道がある。一見特別な仕掛けがあるわけでもない普通の空間だが管理世界に降りる女神や天使の権能を封じる力が働いており、再びここを通らない限り力が戻らないようになっている。

その道を進み3人は予定通りウィニスタへと降り立った。

視界を遮るほどの眩い光を抜けたその先で彼女らは己の目を疑った。

眼前に広がるのは鬱蒼と生い茂る木々。天界の者が使用するゲートは基本的には現地民に知られないように結界を張った森に繋がっているためだ。そこまでは予想していた通りの光景で何も問題はなかった。

当然結界は外側からは感知すら出来ないが結界内からは周囲の様子を確認できるように作られている。

3人が結界の境界付近へ近づくと外の景色が見えてくる。

主に砂礫で構成されたひび割れた大地。

そこには荒れ果てた土地が広がっている。植物は枯れ果て、水は一部を地域を除いて蒸発し乾燥した大地。それがこのウィニスタという世界を覆っていた。

次回から本格捜索、始まります。

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