偽りと真実 共通① 女神の怒り
「今日もいい天気だね」
「ああ」
「アハハっそうだな!」
クラスメイトのタナルケとアライヴェと共に中庭でお弁当を食べることにした。
「お前最近ずっと俺達の面倒をみてるが迷惑じゃないか?」
「お昼くらいなんてことないよ」
ぶっちゃけ兄が私の自慢するから周りから遠巻きに見られてるし。
「ねーベルターなんとか君ってオレとキャラかぶってるよね?」
「いわれて見れば向こうはジュエリット星の公子、アライヴェⅡ(マークツー)はドゥーブル星の公爵嫡子で大体一緒だね」
タナルケはジャポナスからの転校生、アライヴェⅡはボンボンだが変人なので友人がいないから以前から一緒だ。
「ズバッと言うんだな」
だから二人ともクラス委員の私が責任もって学園生活を支援している。
「テュシュー!」
なにやら兄が泣きながら走ってきた。
「どうしたのお兄ちゃん」
いまどき頬にコミカルなビンタ痕なんて古風だなあ。
「それがなあ……」
兄は回想を語りだした。
『俺の妹はめちゃくちゃ可愛くて美人なんだ』
ベンチにて兄アルマキィスはクラスメイトの女子生徒に溺愛する妹、つまり私の自慢をした。
『へー』
『この世界、いや宇宙で一番かわいいし美人だ!!』
『宇宙一の美人は私よ!!』
―――彼がつい口を滑らせた相手は美の星ヴィサナスの王女だった。
「やめてよおお!!よりによって硫酸の雨が降るヴィサナス星、しかも王女なんて私死んじゃうよおおお!」