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海の見える街  作者: kyo
第1章〜故郷〜
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ラッキーピエロ

「なんというか…変わってねえな…ほんとに帰ってきたんだな…さて先ずは片付けるか…」


実家に着いた俺は呟くと掃除を始める。箱館市高岡町。最近までおじいちゃんが暮らしていたが去年の夏亡くなった。そんな事もあり俺はこの家を継ぐ事になった訳だが…


「東京とは違うのは不便な事だよな…まぁ車もバイクあるし、なんとかなるだろ。」


高校時代俺は必死でバイトをし車とバイクを買った。

もともと乗り物が好きだったし、この街では車は必需品だからだ。極力親には頼らない。それが俺のやり方なのだが…車は卒業祝いと入学祝いと称し買ってくれたので有難く頂戴した。しかし独り身の俺にベルファイアはでかいだろう…


「まぁ今となっちゃミニバンの方が何かと便利か…さて、片付けも終わったし、飯は、ラッピでも行くかやはり…」


ラッピとはラッキーピエロの事だ。箱館市にチェーン展開するハンバーガーレストランなのだが、ハンバーガー以外に、カレーやピザオムライスにカツ丼などの豊富なメニューとアメリカンな外観で地元で圧倒的な人気を誇る飲食店だ


京介は片付けも途中に愛車のベルファイアに乗るとラッピを目指す。そう…ラッピには多くの地元の人間が集まっているのも忘れて。


「ちっと見ない間にラッピも増えたな…しかも昔はこんなに混んでなかったよな…とりあえず。テリヤキとチャイチキカレーとコーラ。喫煙席で…」


チャイチキとはチャイニーズチキンの略で甘じょっぱいタレが熱々の唐揚げに絡むラッピの看板メニューだ。あと俺は昔からタバコを吸う。若気の至りで昔吸ったのが始まりだが、いつの間にかやめられずストレス解消に一役かっている。もう18だしばれなきゃ大丈夫だろ。


「ふぅー…やっぱ美味え。東京じゃいろいろ金かかるしな…ん?あいつも1人か?どっかで…」


「隣いいか?カウンターしか無くてな。」


「かまわないぞ、しかしなまってるな?懐かしいよ…」


「いきなりなんだ?懐かしいってのは?」


「昔は俺もこの街にいたんだよ。親の都合で中学からは東京だ…今日さ、大学のために帰ってきたんだ…ダチと連絡取ってこのあと会う事になってたんだよ」


「へぇー?奇遇だな?俺のダチにも昔そんな奴がいたんだ。親友だった。この後会う事になってたんだが名前聞いていいか?昔いたなら歳も近そうだし知ってっかも知れねーから。」


ハハハとそいつは笑う。


「あぁ…朝比奈建也(アサヒナタケヤ)って奴なんだが知ってるか?」


「はっ?俺も朝比奈建也なんだけど…まさか!?お前の名前は!?」


「はっ?おれは、浅倉京介って言うんだけど…建也なのか!?」


「京介!!」


俺はこの時思った。田舎はやはり狭いんだなぁと…



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