休日
「そうか…東京か。それもいいな?」
次の日、土曜日のため学校が休みだったおれと建也は近くの漁港に釣りに来ていた。
「久しぶりだな?こうして建也とのんびり釣りなんてな?」
「東京じゃこんなにのんびりは出来んだろ?田舎には田舎の良いところがあるもんだ。それよりみんなはどうした?京介と一緒にいたがると思ったんだけど…」
「あぁ…連絡来てたけど今日はみんなで買い物行くってさ。荷物持ちは勘弁だよ…」
「そうか…なぁ?聞いていいか?まだ帰ってきて3日だけど、俺たちは変わったか?お前は…」
「変わった。だけど変わってない…変わったのは俺のほうだ…俺はさ…お前らの知ってる浅倉京介じゃもう無いのかも知れないぞ?」
「どういう意味だ?」
「例えば…この白に近い金髪。実はこれ、地毛なんだ…とある事がきっかけでさ…」
「んなバカな…京介…お前いったい?」
「東京という町はいろいろな事を教えてくれた…いろいろな事を奪い、与えてくれた…」
「女か…?」
「元カノとでも言っとくわ…おっ引いてるぞ?この話しはお終いだ!」
「ったく…なぁ京介。お前が誰であろうと俺たちの京介だ!これは変わらない。あと、その話しは皆には言うなよ?殺されるぞ?その子?」
「殺されるぞ?か…俺も卑怯だよな…みんなの気持ち知ってて答えも出せずに…みんなが好きなんだよ…」
「今はいいさ?俺たちにはまだ四年あるだろ?これから新しい人とも出会い、賑やかになるぞ?」
「だといいな…建也。またよろしくな?」
「はいよ。親友…」
2人は手を合わせ、静かに海を見つめる。




