浅倉 美緒
「ふう〜…飲んだなー」
あの後みんなといろいろな話しをしお開きとなった。
みのりと沙耶姉は泊まれと言ったが、酔いつぶれた絢ちゃんを連れて建也が珍しく帰ると言ったため、男1人はきついと俺も家に帰る事にした。
「みんな変わった…そして変わってない…帰ってきたんだなほんとに…ん?電話?」
京介が電話をとると、そこには浅倉 美緒と記されていた。
「こんな時間にどうしたんだ…?もしもし?」
「もしもし…お兄ちゃん?元気?ちゃんとごはん食べてる?」
「俺のセリフだよ…どうした美緒?こんな時間に?」
「やっぱり忘れてる…お兄ちゃん、箱館について一息したら連絡くれるって言ったのに…今日何日?」
やっべぇー…うっかりしてたー…浅倉美緒俺の義理の1つ下の妹で何度か話題になっている人物だ。とても可愛いやつなのだが、自分で言うのもあれだが、俺が甘やかしすぎだせいで完全にストーカーレベルまでのブラコンに育ってしまったためここに来て苦労している。
「ごめん!いろんな事があって、すっかり忘れてた!
今度埋め合わせするから!」
「…お兄ちゃんお酒飲んでるでしょ?普段そんなに素直に謝んないし…誰と飲んでたの?」
鋭すぎるだろ…まぁ別にやましいことは無いしな…
京介はこの三日間の事を美緒に話す。
「そっかぁー…私も皆に会いたいなぁー…そうだお兄ちゃん!G.Wにみんなで東京おいでよ?大学の連休ってながいんでしょ?みんなは無理でもお兄ちゃんは絶対来てね?じゃないと許さないよ?」
「甘えた声でさらっと恐ろしい事言うな。しかしそれもいいな?みんなも美緒に会いたがってるし…」
「ほんと!?じゃあ絶対聞いてみてね!?あと、忙しいのはわかるけど、メールぐらいはしてほしいな…
時間あるときで大丈夫だから…離れてたらやっぱり…」
「彼女かお前は…でもまぁすまなかった。あまり携帯は見る方じゃないが、返信はするようにする。体調には気をつけろよ?」
「うん!それじゃおやすみお兄ちゃん。遅くにごめんね?」
「あぁ、おやすみ美緒。」
ピッ…
side 美緒
そう言い、お兄ちゃんは電話切った。彼女か?か…
そうなれたらどれだけ良いだろうか…義理の妹。血は繋がっていないが、近くて遠い存在。
「お兄ちゃん…会いたいよ…」
お兄ちゃんにやりたい事をやれと言い背中を押したのは私だ。苦労をかけ大切な友人達を引き裂きせめてもの罪滅ぼしがしたかった。だけど、初めて離れてわかったがやはり私はわがままで…
やはりまだまだ子供なんだ実感させられる。
「おやすみ…お兄ちゃん!」
そう打ち込んだメールを送信し、私は今日も1人、眠りにつく。




