旧友
「キョンちゃんのバカ!!なんで何も言ってくれないんですか…」
「その呼び方は…瑠美か…?お前ら揃いも揃ってバカ呼ばわりかい…まぁでもすまなかった。」
「私こそ最後に見送りに行けなくてすいませんでした…しかし…今だに信じられません…それに、変わりましたね?」
「瑠美こそ綺麗になった。またよろしくな?ユーリもみのりも出てこいよ。」
京介に呼ばれ2人は屋上へと足を進める。
「気付いてたんだ?瑠美可愛くなったでしょ?」
「ほんと女たらしだね京ちゃんは…ところで、ここにいたんだ?お姉ちゃん?」
みのりはため息混じりに沙耶に問いかける。
「小夏に歌を聞いてもらってたのよ。そしたら偶然キーくんが来て、私も瑠美ちゃんと同じく感動の再会を果たしたってわけ」
「みのりちゃん久しぶりー!ユーリちゃんも瑠美ちゃんも久しぶりだね!?」
「お久しぶりです小夏さん。」
「私達の卒業式以来ですね?」
「その節はありがとうございましたー!」
「小夏さんはみんなと顔馴染みなんすか?」
親しそうに話す小夏に、京介は尋ねる。
「うん。沙耶とは中学の時からって言ったよね?その時から…みのりちゃんは妹だけど、ユーリちゃんも瑠美ちゃんも今はいないけど建也くんに絢ちゃんも知ってるよ?みんな仲いいもんね?」
「そうだったんすか。確かに中学からは俺いないし、接点ないの俺だけっすね」
「でも京介くんの事はみんなから聞いてるよ?だから初めてな気がしなくて」
「みんなから?それは気になりますなぁ」
「小夏?余計な事言わないでね…?」
「そーですよ?」
「京くん、その話はまたでいいでしょ?ね?」
「そ、それに私達の方がいっぱい質問ありますから…」
小夏の言葉に、四人は少し慌てた様子を見せる。
「はぁ…ま、いいや。それよりいい時間だしそろそろ帰りません?みのりの家には着替えてから集合って事で…建也も早く出てこいよ」
「流石だな京介!修羅場かと思って待機してたんだよ…いやーモテる男はつらいねぇ?沙耶さんと小夏さんもお久しぶりっすー!」
京介が呼ぶと笑いながら、建也がさらっと合流する。
「いたんですね…建ちゃん…」
「まったく、油断出来ない奴…」
「とりあえず帰ろ?京くん!帰りもお願いね?」
「おっけ。んじゃあ行きますかー?」
京介の言葉に7人は屋上を後にする。