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翼を無くした少女の物語  作者: コリー
プロローグ
1/2

翼を無くした少女の終わりの物語

 落ちてゆく。


 その速度を徐々に加速させ。


 青色と白色しかない世界から。


 翼を無くした少女が落ちてゆく。



 ――私は死ぬの?



 翼を無くした少女が過ぎ去った後に残ったのは。


 天の光に当てられ、眩く光る無数の雫だけだった。



 ――どうして、どうして、どうしてなの?



 翼を無くした少女は、ただ、ただ、下へと落ちてゆくだけだった。



 ――助けて、助けてください。だれか、助けて!



 青空から落ちてゆく少女の叫びは、誰にも聞えない。


 雲の間を通り貫けて落ちてゆく少女の思いは、誰にも届かない。



 ――許さない、絶対に許さない。私が、何をやったって言うの!



 無垢な少女に、その時、初めての怒りが生まれてくる。


 徐々に怒りを覚えてゆく少女の瞳には、海が、山が、森が、町が、すでに、はっきりと映っている。



 ――そんな、や――やだよ! やだ、やだ、やだ、やだ、死にたくない! まだ、死にたく……。



 ただ、落ちる事しか出来ない少女のその瞳は、次第に光を無くしてゆく。



 ――もう、嫌だよ……



 翼を無くした少女は、力なく地上へと落ちてゆく。


 その瞳に映るものは徐々に大きくなり、町が、ビルが、マンションが、公園が、車が、人が。



 ――許して。どうか、どうか許してください。家に、ママとパパが居る、私の、家に帰り……



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