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三年後の化石

作者: 天月黎祠

初恋はお伽話に、そしてその人は妖精に似ている。


いつの日か初恋は思い出となり、そしてその人だけのお伽話となる。


どれだけ時が経ち、己が老いても、初恋の人はあの頃のままその人の胸に生き続け、そしてその人だけの妖精となる。


その人が恋したのは、間違いなくその時のその人であり、その一瞬を永遠に感じたのだ。


それはまさしく生きた化石。何一つ姿を変えず、悠々と泳ぎ、しばしばその人を懐かしの海へと誘う。


人は皆、初恋という化石を抱いて眠るのだろう。

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