#その97 この一連のそちらの行動は立派な敵対行動なので、宣戦布告とみなすけど、いいかな
#その97
「アリスよりハルト船長、宇宙船ルミナは単独で大気圏に突入し、地表にたどり着いた貴重な宇宙船のサンプルです。惑星アルメリア発展のためにこのまま捕獲します」
ようやくアリスの宇宙船ルミナへの目的が見えてきた。きっとこの惑星の強力な重力に打ち勝って宇宙へ飛び出すことができる宇宙船を入手または作るための見本に入手したいのであろう。
「ハルトよりアリス管制官、勝手に決めるな、ふざけるな、です」
「ノバ、パワーアップルミナの本領を発揮する時が早くも来たけど、対応できるか」
「ノバより船長、もっちのろん、だよ」
ノバのふざけた返事も今日は頼もしく感じられるから不思議だ。
「ルミナより船長、前方よりミサイルらしきもの本船に接近中、本船を上昇させたくないコースのようです」
「ルミナ了解、じゃあ、嫌がることをやってやれ、ノバ、ミサイルの上に出るコース選択」
「ノバ了解、新エンジンなら余裕だよ」
「アリス管制官、聞こえますか」
「こちらアリスです」
「ルミナ艦長です、この一連のそちらの行動は立派な敵対行動なので、宣戦布告とみなすけど、いいかな」
「そう思って頂いてかまいません。こちらは宇宙船ルミナを捕獲したいのですから」
「艦長よりアリス管制官、ではこちらも遠慮なく」
ハルトはそういうとアリスへの通信回線を遮断する。そして大気中にもかかわらず宇宙船ルミナはぐんと衝撃を発しながら上昇を開始する。
「リリア、プラズマライフル準備してくれ」
「リリア了解、ようやく出番だよ、プラズマライフルエネルギー充填開始」
プラズマライフルはエンジン出力の一部をエネルギー弾として集束させて発射する。
「リリア、ライフルの射撃管制できる?」
「このライフルならできそうだよ、なんか昔に触ったことあるし」
「リリアへ、それはよかった、じゃあ任せる」
宇宙ルミナはミサイルを避けるために上昇しつつ、反撃のチャンスをうかがう。
「ルミナより船長、ミサイルは10基確認」
「リリア、聞いたか、10基撃墜任せる、ノバ、同時に回避運動してくれ」
「リリア了解、がんばる」
「ノバ了解」