#その89 ハルト船長になら、イイデス
#その89
「リリア、こっちにおいで」
ハルトはリリアを両手を広げて包み込むように招く。
「はい」
リリアはするりと近づくと素直にハルトの腕の中に抱かれる。
ハルトはそのままリリアを背中からそっと抱きしめる。リリアの象徴でもある犬耳のぴこぴこの動きはずいぶんゆっくりになってきている。
「リリアはとっても可愛いね、大好きだよ」
ハルトはそういうとリリアを背中側から横顔に口を近づけるとほおに軽くちゅっとキスをする。
「あっ」
リリアはハルトの不意打ちに思わず声がでてしまう。
キスされたことが嫌でない証拠にリリアのほおは真っ赤に染まっている。
「リリアは今まで長い間一人で寂しいことに耐えてえらかったね」
ハルトはそういいながら、リリアの頭をゆっくりとなぜる。
「ハルト船長・・・私も、リリアもハルト船長が大好きです」
リリアはそういうと、ハルトの胸に顔をうずめて、安らかにそして満足そうにしている。
ハルトはリリアの頭をなぜながら、背中やお腹を触ってやると、気持ちよさそうにしている。しばらくそうしていると満ち足りたリリアは今度はお返しとばかりにハルトの背中やお腹を同じようになぜてくる。ハルトはリリアの犬耳にちょっと触るとリリアに聞く。
「リリア、お耳も触っていいの?」
リリアにとって犬耳は恋人以外に触らせることは絶対にしないと決めている箇所だ。
「ハルト船長になら、イイデス」
リリアはそういうとハルトの犬耳への愛撫を受け入れる。ハルトは最初はふわっと優しく撫ぜるように犬耳に触る。
「ひゃあん」
リリアは生まれて初めて他人に耳を触られて、思わず変な声が出てしまう。
「リリア、嫌だった?」
「そんなことないです、続けて欲しいです」
ハルトはリリアの肯定を受けて、徐々に耳全体に愛撫範囲を広げる。リリアはうっとりとしてハルトの指先にその耳を任せる。