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#その88 じゃあ、抱いて

#その88


「リリアどうした、少しはここに慣れたか?何か困ったことでもあるのか?」


 リリアはブラウンのワンピースをすぽんと着用している。靴下ははいていないので、パジャマ代わりかもしれない。もふもふの犬耳がぴこぴこと落ち着きなく揺れている。


「あの船長、ハルト船長はリリアのこと好きなの?」

 どストレートなリリアの問いかけにハルトはコヒーを吹き出しそうになる。


「えっ、もちろんリリアのことは大好きだよ」

「どんな風に?」


「どんな風って、可愛らしいし、優しいし、よく気がつく素敵なお嬢様だからだよ」

 リリアはハルトの褒め言葉を聞いてぱあっと明るい表情を浮かべる。


「じゃあ、抱いて」

 ぶほ、ハルトはコヒーをとうとう吹き出す。


 同時にリリアがハルトに突進する。3Dビジョンなので、実体はないが。


「リリア、ちょちょちょっと待て」

「リリア待てない」


「リリア、なんでだよ」

「このままだとリリアはハルト船長に捨てられちゃうから」


「ええっ、どいうこと?」

「ノバ姉がそういったの」


 ??なハルトがリリアに何度もかみ砕いた質問をしてようやくわかったのは、次のとおりである。


 ノバが言うには、ハルトは女の子大好きなので、好きになってもらえればこの船にいつまでもいられる、ノバもハルトと一夜を過ごして好きになってもらった。


 ルミ姉は一番好かれているから、一番船長室に呼ばれているのが何よりの証拠だ。リリアはまだ一夜を過ごしてもらえないと言うことは今のところは好きになってもらってないのだから、このままだとプラズマライフルの的にされちゃうんじゃないかなってノバに脅かされたらしい。


 それでリリアは青い顔をしてハルトのいる船長室に忍んできたというわけだ。


「まったくもうノバはそういう変なところがあって困るよ、どこで読んだのかライトノベルのストーリーをまねしたみたいだな」


 ハルトはそうぶつぶつと独り言をいいながらどうすればいいかを考える。ここでリリアを追い返してもいいが、きっとリリアは不安に思うだろう。不安が高じて宇宙船内で暴れ始めると大変なことになりそうだ。


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