#その85 本当にかわいらしいケモ耳だ。ああ、触りたい、手がうずうずする
#その85
「はい、今はノバと一緒に食堂でなにやら談話中です。」
「そうか、だいぶ慣れてきたかな、それはよかった」
ハルトも食堂に入ると、ノバとリリアが何やら楽しそうに談笑している。
「リリア、宇宙船ルミナへようこそ!」
ノバはそういうとリリアの手を取ってぶんぶんと振り回し始める。ハルトは呆れながら二人に注意する。
「おいおい、二人ともほどほどにしてくれよ?」
「あ、ハルト船長だ。」
「あ、お兄ちゃんだ!えへっ!」
「えへっじゃないだろ・・・まったくもう、それとハルト船長、な」
「ねえねえハルト船長もこっちで一緒にお話しようよ」
ノバがそう誘うのでハルトは大人しくテーブルをはさんで椅子に腰を掛ける。
「ねえねえ、ハルト船長はリリアに何を任せるつもり?」
「そうだな、まだリリアの得意なことがよくわからないから、当分は見習いとしていろいろ試してみるってことでどうかな」
「ハルト船長、それでいいです、よろしくお願いします」
リリアはそういうとぺこりと頭を下げる。
するとリリアのケモ耳がよく見える。本当にかわいらしいケモ耳だ。ああ、触りたい、手がうずうずする。ハルトはそう思っているが、この気持ちは今はリリアに知られてはならない。
「そうか・・・ノバ、リリアを案内してどうだった、なにかトラブルはなかったか?」
ハルトがそう聞くとノバはちょっと顔を赤らめながら答える。
「え、えっとね、お風呂場でリリアと一緒に体を洗いっこしたよ」
ノバは少し恥ずかしそうにしながらそういうと顔を手で覆ってしまう。
「そうか・・・リリアはどうだった?」
「うん、楽しかったよ!」
リリアもノバの真似をして顔を手で覆うと恥ずかしそうにしている。
3Dビジョン同士が洗いっこって、何をするんだ?
でも、子供っぽいノバとケモ耳リリアの洗いっこって想像しただけで尊い。
「まあ、二人が仲良くなるのはいいことだ・・・」
ハルトはそういうと二人の顔を交互に見る。
「さあ、ずいぶん休ませてもらったから体調はすこぶるいいぞ」