#その82 ルミナに任せたいのだが・・・まあ、ノバにやらせてみるか?
#その82
「おい、ノバ、やめろ」
ノバはハルトの静止もきかずに、リリアにべったり張り付く。
「ノバ姉さま、くすぐったいです」
リリアはそういいながらもノバを姉と呼び、ノバのじゃれつきをかわさない。
「宇宙船ルミナの皆様、リリア・オパリナです。たった今、タスケテからリリアになりました。不束者ですが、よろしくお願いいたします」
リリアはそういうと深々と頭を下げる。
「リリア、ルミナです、よろしくね。この船の統括ユニットです」
「リリア、ノバだよ、この船の航法ユニットだよ。インターワープはこのノバに任せてね」
「えへん、アマギハルトです。この船の船長です。一番偉い人です。しっかり働いて欲しいかな。リリアには期待しているよ」
「船長よりみんなへ、リリアにはしばらくこの船の雑用をしてもらいながら適性を見極めることにする。誰かサポートしてやってくれ」
「私がやるよ~」
真っ先に返事したのがノバである。
やはりこの中では一番好奇心が強いからなあ。ハルトとしてはルミナに任せたいのだが・・・まあ、ノバにやらせてみるか?
つい先日同じようなことを考えてルミナにノバを任せたんだっけ?同じことを繰り返す自分がおかしくなってハルトは一人にやけてしまう。
「ハルト船長、なにか楽しいことか悪いことを考えてますね?」
ルミナがちょっと怪訝そうに聞いてくる。
「あ、いやなんでもないよ。リリアのこと、よろしく頼むね」
ハルトはとっさに表情を引き締める。危ない危ない、また同じ失敗を繰り返すところだった・・・。
「みなさん~リリアといいます、よろしくお願いします、私みなさんのお役に立てるように頑張るよ!」
リリアも張り切っているようだ。
「じゃあ、ノバの任せるけど、リリアに船内の施設を一通り案内してやってくれるか」
ハルトはノバにそのように指示する。
「船長わかったよ、じゃあリリアさっそく行こう!」
ノバはリリアの手をぐいっと握るとルミナを船内に引っ張っていく。