#その80 よしよし、ノバ、立派だぞ、人助けができるようになったんだな
#その80
「ルミナ、これでいいか?」
ルミナは計器を見ながら接続状況を確認する。
「船長、いいようです」
「よし、じゃあ呼びかけてみるな」
ハルトはそういうとタスケテに呼びかけを開始する。
「あ、あ、探査機内のタスケテさん、聞こえますか」
「・・・キコエルマス、ココハドコデショウカ?」
なんとか意思疎通の通信はできるようだ。言葉は自動翻訳されているっぽい。ハルトはホッとする。
「ここは宇宙船ルミナの格納庫だ、君は探査機に搭乗したままここの格納庫にロックされたんだよ」
「ツカマッタノ?」
「捕まったというか、{タスケテ}と救難信号を発したのは君じゃないか?」
「ウンソウダヨ、ジブンダヨ」
「君をこの船に収容したが、危害を加えたりすることはしないから安心してくれ」
「ジブンハコレカラドウナルノ?」
タスケテは不安そうだ。
「君を助けるためにここに格納したんだから、もう大丈夫だ!」
ハルトは自信を持って言う。
「アリガトウゴザイマス、アリガトウゴザイマス」
タスケテは泣いているのか、涙声を出しているように聞こえる。
「ルミナより船長」
「ルミナか、どうした。」
「タスケテの完全武装解除を確認しました。この船内にいる限り、物理的にも意識的にも危険はない存在です」
「ノバより船長、ノバ、すごくがんばって武装解除したんだよ、ホメテ?」
「よしよし、ノバ、立派だぞ、人助けができるようになったんだな。さて、タスケテへの接触を続けようじゃないか。」
ハルトはそういうとタスケテへのコンタクトを次の段階、情報の収集だ。
「あーあー、こちら宇宙船ルミナの船長ハルトだ、タスケテ君、聞こえるか?」
「ハイ、ヨクキコエマス」