#その8 まあ、いいや、デート代として小1枚置いて行けよ
#その8
ハルトの言葉に可愛いネコちゃんと名乗る女の子はがらりと雰囲気を変える。
「ちぇっ、なんだよ、いまどき若い女の子と話せるだけでも貴重なのに、ホテル行くことを断わる男がいるなんて信じられねえよ。これまでの時間を無駄にして、どうしてくれるってんだよ」
ハルトは可愛いネコちゃんのちっとも可愛くないふるまいにどうしようかと一瞬悩む。
「まあ、いいや、デート代として小1枚置いて行けよ。」
そんなハルトの一瞬を見逃さず、可愛いネコちゃんはそうつぶやく。
ハルトはそれもそうかとスマホを操作すると、可愛いネコちゃんが差し出すスマホ画面にタッチする。ハルトのスマホからいくばくかのお金が支払われた音がする。
「次はちゃんとエッチしようぜ」
可愛いネコちゃんはそういうと、そのまま公園の中に入って行ってしまう。
ハルトはそんな女の子の後姿を見送るしかない。
「うーん、これじゃ地球の立ちんぼさんと変わらないじゃないか・・・。」
ハルトがそうつぶやくと、スマホの次のメッセージを読む。
「こんにちは、私は宇宙港の職員で、B級市民です。もしよければランチでもどうですか?」
今度はちゃんした職業についている女性のようである。
写真も添付されている。その女性はショートカットでボーイッシュな雰囲気だ。女性の名前はスペースレディというらしい。
「こんにちは、ハルトといいます。ランチ喜んでご一緒します。私は今休暇中なので、よろしればお迎えに行きますよ」
そうメッセージを送るとすぐに返信がくる。
「ありがとう!では、2時間後に宇宙港の見学ロビーで待ち合わせしましょう!」
ハルトはそのメッセージに{了解しました}、と返信する。
そして宇宙港に向かうべく公園を後にする。
「さて、次はどんな人かな?」
ハルトは期待半分不安半分でスマホに宇宙港までのナビゲーションマップを表示する。
案内を開始して、宇宙港の見学ロビーに向かう。ハルトが宇宙港の見学ロビーに着くと、そこにはすでにスペースレディと名乗る女性が立っている。
「こんにちは、初めまして、ハルトです」
「あっ、こんにちは!ハルトさん、私はスペースレディと言います」